屋久島登山記(2日目)

横綱宮之浦岳

4月1日が宮之浦岳登山の本格開始日です。
前日の予報では曇りで夕方から雨。予定では、
淀川(よどごう)登山口→花之江河(はなのえごう)→宮之浦岳→焼野三叉路→永田岳→鹿之沢小屋(泊)
ですが、1日は次第に天気が悪くなり2日はドエライ雨が午前中中心に降ると、昨日の晩のニュースで気象予報士が脅していました(苦笑)。永田岳の稜線を大雨と強風の中越えるのはカンベンなので、空模様を睨みつつどうするかを考えながら登る事になりそうです。
朝の4時に起きて淀川登山口へは、バスとタクシーを乗り継いで到着。タクシーの運転手さんには、宮之浦での美味しい食事処をしっかり聴くなどしたり、いろんな事をしゃべりながらの楽しい車中でした。着いたのは7時。天気は思ったより上々で、時折晴れ間も覗く暑すぎも無く寒すぎでも無いまあまあのコンディションです。淀川登山口と花之江河の間には、淀川とそのほとりにたたずむ小屋があって川の織りなす風景は絵になるというか素直に綺麗な風景でした。それから、山の懐にひっそりと抱かれた小花之江河と花之江河の美しい湿原(ホントに箱庭のような小さな小さなはかない美しさを持ってます。)を経て、屋久島隋一の展望台、黒味(くろみ)岳を経て宮之浦岳に向かいました。
宮之浦岳は見ていて分かるぐらいにドッシリした山でまさに屋久島のへそです。黒味岳から見た永田岳を従えてそびえる姿はまさに「アンタが大将」といえる風格があり、次第に近づくにつれ大きく迫ってくると圧倒されます。その光景を見ながら「いやー、ホントに来てよかった。」とつくづく感じる事しきりでした。稜線は孤立した島という事もあり風が常に吹いているせいか、緯度と標高の割には背丈の低い笹に被われた草原です。(近畿の最高峰、大峰山脈八経ヶ岳:1914.9mが頂上付近まで鬱蒼としたトウヒの原生林に覆われているのとは対照的です。) 13時頃に1936mの山頂に到着。360度の眺望に恵まれ、しばし永田岳をはじめとする屋久島の山々に見とれてました。でも、黒味岳までは多少晴れ間も見えていた空模様も、雲は高いが次第に風は強くなり悪天の予感がします。と、いうことで永田岳は今回は諦め、急いで新高塚の小屋に向かう事を決意しました。
永田岳への分岐がある焼野の三叉路までは一気に急坂を下り、あとはひたすら小屋に向かいました。途中、名残惜しいせいか、平石という森林と草原の境界の石がゴロゴロした地点とそれより下の第二展望台という地点でしばし立ち止まり宮之浦岳を振り返るのでした。新高塚小屋には15時半頃に到着。シーズンには混雑する小屋も今日はボクも含め二人だけ。もう一人の方はナント仙台から来られた山慣れしたオジサンで、縄文杉方面から来たとの事。明日はボクの逆コースを辿るそうですが、天気が心配です。
(行程)
淀川登山口(7:10)→淀川小屋(7:45〜8:00)→花之江河(9:34〜40)→黒味岳往復(9:54〜10:50)→宮之浦岳(12:50〜13:15)→焼野三叉路(13:35)→第二展望台(14:55〜15:00)→新高塚小屋(15:35)