思わぬ歓待を受けました!

さて、4月22日の記事でも書きましたが、もう一つの嬉しかった出来事、それはイケダワイナリーさんへの訪問です。遅ればせながら、ようやく記事にする事が出来ました。申し訳ありません。
帰りまでに多少時間があったので、リリースされたばかりの『セレクト・白』(2005)を購入しようと買い物だけの積りでフラリと立ち寄ったのですが、ご当主の池田俊和氏(3月20日の記事に登場)のご子息、秀俊氏(東京大学農学部卒業後、カリフォルニアのリッジ・ヴィンヤーズとオーストラリアのハンター・バレーで修業という綺羅星の経歴の持ち主。でも、そんなことは鼻にもかけない極々普通の好青年です。)がアポ無しにも関わらず出迎えて下さり、何と、「どうぞ上がって下さい。」と販売所兼自宅の居間に案内されました。ちょうど同時刻に40代前半とおぼしき夫婦も訪れ、3人で試飲をするコトと相成ったのです。(本当は事前連絡が必要です。たまたま仕事が休みで、しかも特別差し支えも無かったという運の巡り合わせが良かったことが幸いでした。)
今回、試飲出来たのは以下のワインです。
○セレクト・白(2005)
今回購入目的のアイテム。ふくよかで優しい風味の樽発酵・樽熟成甲州種白ワイン。
イケダさんの甲州種ワインは、下記にも述べる全ての白を含め樽を使ってますが、樽の風味を感じさせません。こう書くと「おまえ何言うてんねん。」と言われそう(笑)ですが、樽によってついているワインの厚みがごく自然で、まるでブドウそのものが持っている厚みであるかのように、完全に同化している様なのです。
ですから、甲州種の最大のウリである「繊細な果実味」が充分に生かされており、非常に上品な仕上がりとなっております。
○樽熟甲州(2004)
ステンレスタンクで発酵後、樽熟成させた甲州種白ワイン。
ステンタンク発酵というだけあってこちらはキレがあり、スッキリとした味わいに仕上がっています。でも、適度な余韻が感じられるので単調な辛口でなく、味わって飲む事が出来ます。
甲州遅摘み(2004)
遅摘みで充分熟した甲州ブドウを、「樽熟甲州」とは逆に樽発酵後ステンレスタンクで熟成させた甲州種白ワイン。甘口と言う事で売り出しておりますが、実際は控えめな甘さで、秀俊氏曰く「食中酒としても飲めますよ。」の通り、甘味が出しゃばらず、それでいてちゃんとしたボディーも感じられます。
○ヴァン・ルージュ(2004)
カベルネ・ソーヴィニヨンとマスカット・ベリーAによる赤ワイン。非常に清澄度が高く美しいルビーのような色彩の赤ワインです。カベルネの持つ渋さとベリーAの果実味が程よく溶け合っており、程よい厚みと飲みやすさを両立させてます。
○巨峰(ロゼ・2005)
非常に口当たりが滑らかで、それでいて控えめな甘口のロゼワイン。飲みやすいのだけれども、スイスイと飲むには勿体ない豊かな味わいが口の中に拡がるワインです。どんな人にも喜ばれると思います。甘口だといってバカにしてはいけない、隠れた逸品。
今後は、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの『セレクト・赤』(2005)が登場する予定です。
総じてイケダさんのワインは「エレガントで上品」。ワインのエチケット(ラベル)のデザインがまさにそうで、非常に『綺麗な芸術作品』の趣があります。それでいて、1,000から2,000円台と安価で、このこぢんまりとした家族経営の醸造所でこんな美味しいワインが出来ているというのには驚きを隠せません。
まさに、『隠れた名ワイナリー』の称号に相応しい、小さいけど立派なワイナリーです。
(池田秀俊様、本当に有難うございました。機会があれはいつかは醸造所見学もさせてもらいたいです。)