ポジティブリスト制度の施行、そしてビオロジーについて再び考える(その1)

今日はシリアスな話題を自分なりに深く考える事にしました。長くなりますが、おつき合いの程を。
日本ワインを通じて交流させて頂いている『盆様』の「盆略ワイン倶楽部・ブログ篇」で厚生労働省のポジティブリスト制度について取り上げられてました
実はこの制度、最近佐野洋二様の所へ二度目の訪問をした際に初めてその存在を知り、調べんとアカンなぁ思っていた矢先にタイミング良く盆様の記事が出たのです。

制度自体の詳細は、盆様の記事および掲載されているリンク先のURLを参照して頂くとして、この制度が機能し守られるためには、下記に述べる二点が前提条件でなくてはならないと私個人は考えております。

(1)農家は主体的に農薬そのものの知識を学習し、薬理機能や正しい使い方を理解した上で用いている事
(2)会社等が農産物を加工して食品ないしは飲料とする場合、トレーサビリティーが明確に示されている原料を用いている事(明示も場合によっては求められるかも)

特に、(1)に関しては、農協による横並び農業を強制され「考える事」を去勢されていた(参考:「FOOD SCIENCE」齋藤訓之氏コラム『食の損得感情●トップダウンが招く成長の限界』より)農家がこの事にどう対応出来るかにかかってます。縦割り行政故、何処がこの啓蒙活動を進めていくか非常に気になったのですが、どうやら生産者がGAP(Good Aguricultural Practics、すなわち適正農業規範)という理念の下に「JGAI協会」を立ち上げ、活動に入っている様で、少なくとも一筋の光明が見えます。(参考:「FOOD SCIENCE」松永和紀氏コラム『松永和紀のアグリ話●科学的に働きもっと儲けるためのGAP』より)

しかし、(2)に関しては日本ワインに限って言うと、ラベルの表示基準は国税庁管轄の「日本ワイナリー協会」の自主基準にゆだねられているだけとしか言い様が無いお粗末な状況なので、以前「TRIIPA通信+1」で取り上げられた原料産地表示問題に加えて頭の痛い問題がまた一つ増えたのではと思います。従って、仮に心無いワイン製造業者が虚偽表示したりとか、トレーサビリティーの不明瞭な原料を用いたりというような対応の誤りを犯すと消費者からそっぽを向かれかねない危険性が孕んでます。

ポジティブリスト制度に関しては『badgers様』の【食育親父のひとり言】の「残留農薬「ポジティブリスト」の導入を知っていますか?」や「農家のあとつぎの独り言」の「農薬ポジティブリスト考察(その1−制度の基本)」を始めとするポジティブリスト考察シリーズも非常に参考になりました。御礼を申し上げます。

とりあえず、今日はこの辺で。