ワインフェス2006春、行って参りました。

山梨では、今県内出身者を中心に、自分自身の故郷を見つめ直そうという草の根活動が進められており、「KOFU Pride」という名称のグループが活動を続けております。

『東京と長野に挟まれ、県都甲府を中心とした人口88万の小さな県、山梨。私たちはここを舞台に、生活をし、仕事をし、子供を育て、遊び、学んでいます。その中から直に感じる現状への不満と希望を共有し、誰かに頼るのではなく自らまちづくりを考え、地道な行動に移す。「自分のまちを、誇り高きまちにしたい」。』
(「KOFU Pride」ホームページより)

その活動の一環として、山梨でワインツーリズムが実現することを夢見て構想を暖めてきた企画の第一弾である今回のフェスが開催されました。
ちなみに、参加ワイナリーは
旭洋酒さん・機山洋酒工業さん(代表取締役の土屋幸三氏は「KOFU Pride」のメンバーです)・金井醸造場さん・シャトー酒折さん・ダイヤモンド酒造さん・シャトレーゼ勝沼ワイナリーさん
と魅力的なメンツばかりです。
今回のフェスでは、このブログなどを通じて「日本ワイン」繋がりで知り合いになった方々ともお会いすることが出来、楽しい一夜でした。と言う訳で、各ワイナリーさん毎の出展ワインリストと一口感想を。
<旭洋酒さん>
○ソレイユ・クラシック(白、2005)
○ソレイユ甲州(2005)
○ソレイユ・カイノワール(2004)
今日は旦那さんの鈴木剛氏が会場にお見えになってました。クラシック白はいつ飲んでもそうですがスイスイいけちゃいますね。
今回初試飲のソレイユ甲州(2005)は、2004のヴィンテージが程よい重厚さとカリンのような香りが際立ってましたが、'04に比べまだおとなし目で少し明るいキャラ的な感じ。コレも一夏越せばしっかりした味わいになるでしょう。出展されてませんでしたが、来週訪問でゲット予定の「ルージュ・クサカベンヌ」実はこっちの方が楽しみ〜♪
機山洋酒工業さん>
○キザンスパークリング・トラディショナルブリュット
○キザンファミリーリザーブ(2004)
プレゼントに送った「トラディショナルブリュット」が頂けて嬉しい!(\(^o^)/)
出来立てホヤホヤということもあり、爽やかさが存分に味わえました。それとこちらも来週の訪問でゲット予定の「ファミリーリザーブ(2004)」、'03も飲んだことが有りますが、「硬骨のワイナリー」と言うイメージの中、おもてなしワインとして出たのが好評で商品化されたワインという経歴を持つことから、他の機山さんの一本筋の通ったワインと異なり、優しく包み込むような暖かいイメージのワインです。好きだな〜、これは。
<金井醸造場さん>
○キャネー甲州・万力獅子岩(2005)
○万力甲州・朝焼(2005)
○キャネー・ヴィノ・ダ・万力 メルロ(2004)
金井さんとは、午前の小山田氏と同様、自然農法の日本での先駆者的存在で、ボクもよくお世話になってます。金井氏もパカレ氏諏訪訪問の時に参加していたので、当然その時のことを根掘り葉掘り聞かせてもらいました。金井氏にとっては実に有意義な集いで素直に嬉しかったとのことです。
獅子岩は2nd.ロットになり亜硫酸の量を若干増やした為、購入した1st.では抜栓してグラスに注いだ後空気に触れてピンクに染まるのが無くなってました。それでもシンプルで奥行きのある訥々と語りかける味わいは健在。これは、メルロも万力朝焼も同様です。『なんだ、この色は?』(笑)の黄ワイン・朝焼は3月19日に試飲した時に比べまろやかに。6月15日のリリースがムッチャ待ちどうしいです。
<シャトー酒折さん>
甲州ドライ(2004)
甲州スイート(2004)
デラウェア(2001)
○マスカットベリーA樽熟成(2004)
今回密かに注目していたワイナリー。醸造責任者の井島正義氏とは初顔合わせです。2005甲斐Vinの辛口甲州の部で私的ランキング2位にしたのが「月の城 甲州辛口」だったので気になる存在でした。なんで好みかというと、カタシモさんとこの「果実味を前面に押し出した造り」が共通項にあるのでなんか懐かしさと親近感を感じます。甲州ドライは何とシュールリーの期間が2ヶ月!どうりでスッキリした辛口に仕上がっていると納得。マスカットベリーA樽熟成はお隣のダイヤモンドさんの「シャンテY・A ますかっとベリーA+」と比べるとこちらは重厚ながらもフルーティーさが前面に出てました。ココもいつか訪問しなくては。
<ダイヤモンド酒造さん>
○THE・KOSHU(N.V.)
○シャンテ 甲州樽発酵(2004)
○シャンテY・Aひしやま甲州(2004)
ダイヤモンドさんも3月18日の蔵巡りで訪問以来の試飲です。いつ聞いても、雨宮吉男氏の話は聞いてて為になるし面白い。話し出すとホントいろんな話をしてくれて、その知識量の豊富さには圧倒されます。
で、「甲州マスター」と個人的には私淑しているのですが、まず、流行の「きいろ香系」や「デュブ系」のには今後チャレンジするのかと聞くと、雨宮氏は「ソービニヨン・ブランがお気に召さない(笑)」品種だそうで、積極的に出そうとは思わないとのこと。それよりふくよかな味と適度な厚みをもたせ、繊細な果実味を生かした甲州種ワインを作って行きたいのこと。(前述の3月18日の話のように「アルコール度数の少し高目のガツンと来るのが好みというのもあり、積極的にワインに厚みを付けたい」のも理由としてあります。)、あと、醸造ではやり尽くせることは殆どやり切ったので、甲州に関しては今後は栽培に目を向けて極めていきたいと抱負を述べておられました。(技術力に定評あるだけに、栽培も極めたら鬼に金棒ですな。)
ちなみに、蔵巡りの時も出されていた新アイテム「Me et CS(メルローカベルネ、2004)」、こっそり出しておられましたが、また頂くことが出来ました。ラッキー!
シャトレーゼ勝沼ワイナリーさん>
○鳥居平・甲州シュールリー(2005)
○鳥居平・野呂 甲斐ノワール(2004)
○等々力・野呂 カベルネ・ソーヴィニオン樽貯蔵(2002)
○鳥居平・シャルドネ樽貯蔵(2003)
こちらも、醸造家の戸澤一幸氏とは初お目見え。ブルたま氏はナイナイの岡村に似ているなんて書いてます(笑)が実際は爽やかなナイスガイといった感じで、最近はヒゲもたくわえワイルドな感じに変貌してました。
で、ワインの方ですが、「等々力・野呂 カベルネ・ソーヴィニオン樽貯蔵(2002)」は2005甲斐Vinの赤ワインの部で私的ランキング2位にした好みのワインで、また頂けるとは感激です。甲斐ノワール(2004)は以前近くのショップで試飲した時と比べ段違いに良くなってます。ソレイユさんの甲斐ノワールが「ふくよかな優しさ」がキーワードとするとこちらは「まろやかな中にも甲斐ノワールらしくワイルド」な感じです。
白に関しては、甲州シュールリー(2005)、切れ味鋭い爽やかな辛口でこちらもシュールリーっぽい感じに頼らず程良いボディー感が感じられたのが良かったです。シャルドネ樽貯蔵(2003)もマジ美味です。
シャトレーゼさんのワインに一貫しているのが、他の風味を損ねるむやみやたらという感じでなく程よく鋭い切れ味のスッキリした味わい。戸澤氏の好みが反映されてます。どれもコレも「お菓子屋さん」のイメージをイイ意味で裏切ってくれる美味しいものばかりでした。こっちも訪問せんとアカンなぁ〜。
今回のフェスはとても楽しいイベントでした。だからこそこれだけ沢山書くネタがあったのだと思います。(というか、一口感想になってませんネ。スミマセン。苦笑)実行委員の「KOFU Pride」笹本貴之様とFour Hearts Cafeの大木貴之様にはお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。