「一本筋の通ったワイナリー」機山洋酒工業訪問

決して背伸びをせず身の丈をわきまえ、真摯に取り組む「私たちの小さなワイナリー」である機山洋酒工業さん。私自身は今回で3度目の訪問です。
「硬骨のワイナリー」というキャッチフレーズでボクはよくこのブログに書いてますが、それはシンプルな商品構成はモチロンのこと、日常親しんで頂くコトを考慮した価格設定であるにもかかわらず、高品位なワインの質を維持するために無闇に量を増やさず造り続けていることを貫き、その芯が決してブレないことにあります
でも、ワイナリーを運営されている土屋幸三・由香里御夫妻は、どんなに忙しくても訪問した時はおもてなしの心で持って迎えて下さる本当に気さくな方々です。そして、「甲斐Vin」や「KOFU Pride」といったワインや地域のコミュニティーの中心人物として活躍されており、ワインを通して地域への貢献も地道に進めておられ、山梨、いや日本のワインシーンでは中心人物として欠かせない存在といえます。故にいろんな方々からの厚い信頼の下、このワイナリーは特別大きな宣伝を仕掛けることなくその存在感は非常に大きなものとなっていると言えます。(それでも、変に迎合した姿勢を見せない所もまた凄いと思わせる所以です。)
ちなみに、ボクが初めて飲んだ山梨のワインは機山さんのワインです。(いつもお世話になっている近所の酒屋にて一升瓶の白を買ったのが最初です。そのときはとある山登りの時に担いで持って上がりました。なお、一升瓶はシークレットアイテムになります。)
今回の訪問時では、4月末にリリースされた「キザンセレクションメルローカベルネ・ソーヴィニオン(2004)」は完売し、購入予定の「キザンファミリーリザーブ(2004)」が店頭在庫のみで、こちらを試飲させて頂きました。(「キザンスパークリングトラディショナルブリュット」は先週のワインフェスで頂いたので、そちらの記事を参照して下さい。)
○キザンファミリーリザーブ(2004、ワイナリーではすでに完売です。)
前日YHでの二次会では'03のヴィンテージ(なんとYHではケース買いでストックされていて、宿泊者用に売っています。)をワイン会参加者全員で頂いたのでちょうど比較試飲と相成りました。
ワインフェスの記事でも書いたように「優しく包み込むような暖かいイメージのワイン」ですが、'03のヴィンテージと比べるとなんとなく硬く感じます。なんでかなぁと思って聞いてみると、カベルネ・ソーヴィニオンが収穫期に天候不順に見舞われ、結果として最後の最後で一押し(ぶどうの糖度は猛暑で高かったが、、、)が足りなかった状態の収穫だった為と今回応対して下さった由香里様が解説して下さりました。
(参考:機山さんのWebサイトにあるワイナリー便りのvol.101(2004/11)ヴィンテージレポートにも詳しい記載があります。そちらを参照してください。)
ちなみに、甲州種も同じ時期(10月頃)の収穫ですが、以前に定番製品の「キザンワイン白」を飲んだときに'03よりも'04のが硬く感じられたのもワイナリー便りのバックナンバーを見て同様の理由にあるのかもしれないとボクは考えております。でも、ルミエール訪問記の「レザンファン・甲州」の項に書いたように一夏越せばどうなるか分からないのがワインの面白い所で奥深い所以でしょう。
(このWebサイトの「ワイナリー便り」、情報量が満載で読んでいてためになることばかりです。勉強にもなるし、なんと行っても楽しい読み物として重宝してます。)
このあと、最近話題のコルクとスクリューキャップの比較の話や、「キザンセレクションメルローカベルネ・ソーヴィニオン(2004)」が国際規格の750ml瓶に代わった話(それぞれ単なる比較や、瓶の容積が変わったなんて単純な話ではなく、その背景にまつわる話が面白いのです。)などで盛り上がりましたが、由香里様(ちなみに、出身は関西です。)の知識の豊富なのはモチロンのこと、簡潔明瞭にスパッと答えて下さる一方で、サービス精神たっぷりの楽しいおしゃべりでずいぶん盛り上がってしまいました。
何だかんだと約束の時間が来てしまったので、すぐに'04ファミリーリザーブを購入して次の目的地である旭洋酒さんへ向かいました。