改めて「ドイツの甲州」に想う。

昨日の記事ではコメント等で貴重なご意見を頂き、有難うございました。誠に御礼申し上げます。
大分テンパッていたので多少見苦しい所があったかもしれませんが、もう一度総括してこの件はこれにて終わりにしたいと思います。
書き方が悪かったので、誤解されている所がありますが、私は、外国由来の嗜好品ですからワインに関して謙虚に学ぶべき所は外国から学び、必要な所を取り入れる。そのことに対して否定しているのではないのです。
問題にしているのは、『日本のワイン』を作り上げることに関してその方向性に一貫性が無く、あっちへフラフラこっちへフラフラでは何時までたっても、「サル真似」の域を脱しないし、そこで長期的な視点でじっくりと取り組んで欲しいからこそ、垣根を越えた議論と取り組みの必要性を訴えたかったのと、それを踏まえて取り組み方に関する小生の持論について「こうしたらよいのでは」と記したのです。そこで『丸投げ』になったら『日本のワイン』っていったい何なのという問題提起だけはしておかないといけないと考えたからです。
仕事では、研究職についている私ですが、やっぱり外国の文献等を読んだりして必要なことは学び、それを研究に生かしたりしています。しかし、研究で大事なのはそこから『オリジナリティー』を創出することであり、そのためには一貫性のある視点の下で無いと、コロコロ変わるようでは土台がすっかり変わってしまい一からテーマを練り直さなくてはなりません。
これが開発となると期間が限られるので、「既存技術の集大成」としてあるもの全てをかき集めそして一つの製品に組み上げる事を優先するため、観点は変わってきますが、商品として売る以上、他社との差別化を図るために何らかのコンセプトを立てるのですが、ここにも何らかの『オリジナリティー』を織り込む必要があり、それが『ブランド力』として訴求力を訴えるためにはやはり一貫性のあるものでないとお客様からの信頼を得られません。ましてや、最近は家電などに顕著ですが(野菜もそうですよね)中国の安い輸入品と対抗するためには高い付加価値をつけるためにも『オリジナリティー』を織り込む必要性はなおさら重要になって来ています。
そういう『一貫性』を持ちつつも、市場を育て上げるにはそれぞれのやり方があり、そのアプローチに関しては多様性があって然るべきです。ただ、根底で『一貫性』を持つためにはお互い敬意を払い、そして健全な関係の下でないと築けないもので、そういう所に何らかの大きなバックボーン的組織がキチンと機能していることが必要になって来ます。実際、新世界、特にオーストラリアやニュージーランドでは国を挙げての支援がキチンと為されており、新興勢力ながら実力派として認められています。(マガジンハウスの雑誌『Hanako(No.875)』にもその話が載ってましたね。)実際、オーストラリアワイン事務局という機関(日本語版オフィシャルサイト)が存在し、その「在日事務局」の項を見ると、ワイナリーが連携して出資した私的機関ではありますが、連邦政府の機関と連携も取り、更に連邦政府が「オーストラリアワイン&ブランデー公社」というのを有しているのですから驚きです。こういう『一貫性のある所』は謙虚に学ぶべきでしょう。
(なんか、豪州がサッカーW杯の決勝トーナメントに進出できた理由の一つである『マネージメント能力の差』とダブりますね。)
いかがでしょうか?
で、話は変わりますが、奥野田さん訪問の項で出たカリフォルニアワインの代表品種となった「ジンファンデル」、実は南イタリアにその起源が認められますが、更にさかのぼるとこれがまた対戦相手だったクロアチアが起源なんですね。
そのジンファンデル、ロゼ、軽い赤から重厚な赤、遅摘みの甘口から酒精強化に至るまで、多種多様で質の良いワインを産していることから甲州種となんかダブるものがありますよね。
ジンファンデル―アメリカンワインのルーツを求めてで、ネットで検索したらエエのが見つかりました。なんかヒントになるかもしれんと言う訳で、本屋に予約しちゃいました。
ジンファンデル―アメリカンワインのルーツを求めて』(飯山ユリ・北山雅彦共著)
これで、勉強し直します。
(盆様、Yop様、情報提供有難うございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。)
●参考記事
「RIDGE VINEYARDS – 日本語サイト」の、『ジンファンデルの起源を求めて』の項