北アルプス・折立〜雲の平〜双六〜新穂高(3日目)

美しいチングルマの綿毛(槍をバックに

いやー、この晩のテン場は少し寒かった〜。起きて外を見るとうっすらと明るい空は雲一つ無い晴天! どうりで寒かった筈です。そして、この日はついにクライマックス!です。(写真はコチラ
日が昇るにつれ照らし出される雲の平と祖父岳は澄み渡る清らかな風景そのものでした。今日一日はきっと好天が続く、そういった確信を強く感じます。この日は少々疲れが溜まっていたせいか寝起きはイマイチでしたが、朝ご飯を食べると復活! 日常でもそうですが、朝ご飯はホンマ大事ですわ。
再びテントを片づけ、背負いの儀式をします。(笑) さすがに3日目となると軽くなります。目の前の祖父岳をまずは登り、黒部源流〜三俣山荘〜三俣蓮華岳双六岳を辿り、双六小屋のテン場へと向かう、「北アルプスのへそ」周遊黄金コースへと向かいます。テン場から祖父岳分岐まで一旦上がり、荷物をデポして山頂に向かうとそこには、360度見渡せる大展望が待っているのでした。
砕石に覆われ、ケルンが所々に建つ広々とした祖父岳山頂からは、北に剣・立山と五色ガ原、西に加賀の白山、南に槍・穂高連峰、東にワリモ岳を従えた鷲羽岳(カッコいい山ですね)、それから薬師岳水晶岳(黒岳)、赤牛岳、黒部五郎岳、笠ケ岳、そして今日向かう三俣蓮華と双六岳とありとあらゆる北アの山々が見渡すことが出来ます。本当に「グレイト!」という他ありません。
分岐に戻りそこからは、「日本庭園」を闊歩して行きます。途中雪渓が残った窪地に辿り着くと、そこの周囲は花が散り綿毛状に化したチングルマが大群落を為してました。ラッキーなことに、雪渓近くのはまだ花が残りチングルマの花の移り変わりを一所で眺められる(しかもバックには槍ヶ岳が!)素晴しい所でした。
チングルマの織り成す美しい風景の余韻に浸りながら、道は次第に谷間に降りて行きます。そう、昨日薬師沢の小屋の目の前に流れていた黒部の源流です。険しい上の廊下や下の廊下の形相からは想像出来ない伸びやかな流れが祖父岳と鷲羽岳に挟まれているのです。既にカンカン照りになっていたので、顔を洗い、バンダナと上に着ているシャツを流れに浸して水を搾って身に付けると丁度エエ具合に火照った身体が冷やされ、心地よく吹く風が爽やかな気分にさせてくれます。
源流での休憩後は、今日のお目当てである三俣山荘へ向かいます。コーヒーにウルサイ僕は黒部源流の水で入れたサイフォンコーヒーの話しを噂に聞いていたので、去年裏銀&槍−北穂縦走の時に寄ったのですが、大の甘党の僕は目ざとくケーキも見つけ、サイフォンコーヒーとセットで頂き感嘆したのですが、今年もこれにアリつけるとあってシンドイ登り(急で長くはないが、暑いので。)もシンドクは感じなくなります。(エ、矛盾してるって? 細かいツッコミは目つぶって下さいな。) そうこうする内に山荘の発電用の発動機の音が近く聞こえて来ると、ポンと真裏の山荘のテン場に出ました。さぁ〜、三俣山荘の喫茶室へGo!!です。飲み物は人それぞれでしたが(冷えたカルピスもあります。それもチャンと濃縮したのをきちんと薄めた正統派。)、モチロン小生はサイフォンコーヒーです。山に行くと甘いものを良く食べますが、ケーキが味わえるなんてホンマ幸せです。しかも、大人の味のコーヒーが実に美味しい! 「余は満足じゃ。」と思わず唸りたくなります。(ちなみに去年は900円やったのが、1,000円に値上げしてました。なんでかな?)
コーヒー等飲み物とケーキで力を回復した僕らパーティーは、再び燦々と日差しが降り注ぐ中、クライマックスの三俣蓮華と双六岳への登りに向かいます。午後2時頃と一番熱い時間でしたが、程良い風が吹いており、カラッとしていたのでそれほど不快でも無く、大汗かかずに登れます。それでも、じりじり照りつける太陽は容赦ありません。ペースをゆっくり・イーブンに保ってまずは越中(富山)・信濃(長野)・飛騨(岐阜)の三国の境が交わる三俣蓮華岳に到着です。ここまで来ると薬師が随分遠くに感じます。よくここまで来たなぁと感慨深いモノがあります。ここまで来ると、表銀座コースの燕岳と大天井岳も見えてきました。目前には槍ヶ岳が見えるのですが、次第に間の谷から雲が湧き出て折角の眺望が、、、。さすがに午前中からエエ想いさせてもらってばっかりなので贅沢を言ってはイケマセン。そして目の前の丸山を越え、ついに双六岳の山頂へ! ここまで来ると槍はすっかり雲に隠れてしまいましたが、よくぞ三日間天気がもってくれました。もう感謝感激雨アラレですわ! また、双六の小屋へ向かう道はひたすら砂礫の拡がる雲上回廊と実に気持ちの良い道です。回廊の平原を抜けると急な下りになり、双六小屋の赤い屋根が見えてきました。皆ホンマによく頑張りました。
そして、小屋に到着! 早速生ビール(ジョッキで!)とおでんを頼み(危うく玉子が切れる寸前だった。ホッ。)、皆で無事到着を記念して乾杯。一服してテン場に向い、後はお楽しみの晩御飯です。この日のメニューはシンプルにカレー。でも、具もルーもチャンと持って来てマス。(食欲旺盛な誰かさん【←それってボク!?】がいるのでちょっと足りなさそうなルーは前日雲の平山荘でレトルトのを購入していたのでした。感謝!) 充実な天候の下、歩いて来たのでもうお腹が空いて残りも含め完食です。
今日は本当にお腹もココロも満腹の充実の極みの一日でした。
(行程)
雲の平テント場(6:15)→祖母岳往復(7:10〜8:25、休憩含む)→黒部川源流(9:25〜50)→ 三俣山荘(10:25〜11:30)→ 三俣蓮華岳(12:40〜50)→双六岳(14:05〜15)→双六小屋&テント場(14:55)