ドメーヌ・シュブロのご当主夫妻にお目にかかる事が出来ました。

ワインに関しては行きつけのお店が、近所の「日本ワイン」を扱う馴染みのお店だけで無く、最近なのですが都内にもありまして世田谷の『カーヴ・ド・プティット メゾン』でも機会を見つけては通ってます。(2006年5月11日記事の『Hanako(No.875)』にも掲載。)
この日は、リアルワインガイドの最新号でも取り上げられた「ドメーヌ・シュブロブルゴーニュ、コート・ド・ボーヌ、マランジェ地区)」のパブロ・シュブロ氏と奥様のかおり氏(日本人なのです)がプロモーションのため来日し、そのスケジュールの合間に表記のお店への来訪があると聴き、いつものように好奇心旺盛なボクはお邪魔させて頂く事にしました。
ドメーヌの解説はリアルワインガイド誌(編集長の徳丸真人氏も応援に駆けつけておられました! 紙面ではパワフルな一面を押し出してますが、この日は黒子に徹しておられ、またサバサバした感じで好感が持てました。ハイ。)の最新号を拝見して頂くとして、事前にボクはACブルゴーニュ(2005、良心的お買い得な価格です。)を購入し頂いたのですが、最初に沸き立つピノ独特のチェリー香に続き、ブラックベリー系のと共に綺麗な土の香り(ガチガチのミネラル感でも無く決して「土臭さ」でも無い深遠なもの)が拡がり格付け以上の風味が楽しめたのです。(しかも良年ミレジムということもあり、ブドウの果実味のパワーにはビックリ! 単なる「濃厚」ではなく旨みがタップリと込められた自然に凝縮された味です。)
これは只者では無いと思い、しかもドメーヌ・シュブロの公式サイトや『プティット メゾン』のサイトで若き当主のパブロ氏の経歴を見るとディジョン大学で生物学と栽培環境学のディプロム(diploma=英語、日本語でいう所の「学位」に相当するのですが、専門学校でも用いられるので「卒業資格」と訳されたりしていますが。) を取得後、ボルドー大学でワイン醸造士国家資格を取得と勉学に励んでおられた事から、経験則だけで無く理論肌であると同時に、ワイン造りの原点である「畑」に根ざした実践派でもある事が伺えます。実際、「醸造学より先に、生物学と栽培環境学のディプロムを取得したのはどうしてですか?」と率直に訪ねた所、いの一番に「畑が第一にあるからこそ。」と語っておられたのが印象的でした。やはり、ブドウのためにもまずは土造りが基本でその上にブドウにとって心地よい環境を整える事の重要性が言葉の奥に込められていると小生は感じました。
それと、奢らず気取らず気さくに次々と来店されるお客様に応対されていたその姿には本当に感心しました。奥様が日本人とはいえ、わざわざ極東のこの国に来て下さり、日本語の質問で通訳を介する必要があるにもかかわらず親切に応えて下さるのは有難かったです。
自身の造るワインを言葉は違えども自分の言葉で持って伝えたい。その有り様に造り手としての矜恃と丹精込めて造った温もりのある品であることを強く感じ、お店の方も程良い賑わいの中でもホッと出来る雰囲気に全体が包まれてました。足を運んだ甲斐のある訪問でした。
(シュブロ氏ご夫妻はもちろんの事、『プティット メゾン』店主の内池直人氏や編集長の徳丸真人氏にはお世話になりました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。有り難うございました。)
(追記)
「ドリンク&ワイン/グルメニュース : YOMIURI ONLINE」でも、シュブロ氏のワインの記事が掲載されていましたので、ご参考に。
花見に合う「ロゼ・サクラ」……ドメーヌ・シュヴロ
そう、『SAKURA - Rosé de Pinot Noir』気になりますね。