<連載>気ままに語るJD&NO(その5)〜ポスト・パンクの一つの臨界点を示した衝撃のメジャーデビュー作『Unknown Pleasures』

グラフィック・デザイナーのピーター・ザヴィルの手による恒星爆発時の電磁波波形のスペクトラムをモチーフにしたモノトーンのジャケも鮮烈ですが、一曲目の『Disorder』から展開されるピーター・フックのうねるリードベース、バーナード・サムナーの無機質でガサッとした感覚のギター、スティーブン・モリスの叩きつけるようなドラムスのビート、そして、暗黒面から淡々と時には熱く湧き出るかのようなイアン・カーティスによる独特のヴォーカルには得も言わせぬものが。
圧巻は、6曲目の『She's Lost Control』。荒涼とした風景の中に、一筋の光明が差し込むサウンドスケープ。それが希望か絶望かは分かりません。ただ、熱き血潮が感じられるこのアルバム。金字塔と言うか臨界点と書くのはそんな訳からです。
必聴!