目指すは甲斐の名峰〜黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳を経て北沢峠へ(1日目)

日本の三大急登の一つに数えられる「黒戸尾根」(他は、北アルプス裏銀座烏帽子岳の「ブナ立尾根」と、谷川岳の「西黒尾根」。)、標高差2,200mという屈指の登りではありますが、実は甲府盆地から間近に見渡せる信仰の山として崇められていたことから、古くから開かれた登山道なのです。
今回は所属する山岳会の行事で、集中山行と称して北沢峠に集合するプランの一つとして黒戸尾根から甲斐駒のルートに挑むことになりました。
まずは、南アルプス市の芦安温泉近くにある市営駐車場南アルプス市運営サイト「南アルプスNET 南アルプス芦安山岳館」より)に前日5日の夜中に集合。車2台を停めて翌朝6日に手配したタクシーで登山口の「竹宇駒ヶ岳神社」へ。昔は中央線の韮崎駅からバスが出ていたのですが、今は間近の駐車場までタクシーかマイカーで行くしかありません。帰りは広河原から芦安方面に出るので、芦安からタクシーという手段を取ったのです。
神社の脇から登山道が始まり、尾白川を渡るといきなりのっけから登り。この辺の標高は800m弱。これからが名にしおう急登の始まりです。
暫くは樹林帯の中の登りが続くのですが、まだ低い所なので暖かく一気に汗が吹き出ます。ウォーミングアップがこれだから、いかにこの登山道が大変かが分かります。(汗) やがて、横手方面からの道と笹ノ平で合流。一息つけますが、この先もひたすら登り。回りの景色が見えないので忍耐を強いられます。とはいえ、里山の林からすでにコメツガの林と南ア名物の緑深い原生林に変りつつあり、休憩しても、ひんやりとした空気が感じられることから標高が高くなっていることが分かります。
やがて、視界が拓けると目の前に岩場が。最初の難関「刃渡り」です。両側が切りたった稜線の上にこの岩稜ですから油断は出来ません。ただ、鎖の手摺りがあるので助ってます。ようやくここまで来て高山に来たとの実感が。その後、刀利天狗に着きますが、ここには祠があり、信仰の山であったことが伺えます。この後は、黒戸山の北側を巻き、廃業となった五合目小屋の側で休憩。目の前には七丈への登りが圧倒的な勢いで迫ってます。
そして、この日の核心部である鎖場や梯子、狭過ぎて通れないところには桟橋と気の抜けない箇所を通過します。パーティー疲労困憊ですが、ゴールを目指すことを考え、一所懸命です。
そうこうしている内に登りが緩くなり、目の前に小屋が! 今日の宿泊場所の七丈小屋です。一同顔がほころび、ようやく到着。コースタイムも予定通りで充実感たっぷりの濃密な1日目でした。

<山情報いろいろ>

  • 芦安市営駐車場から竹宇駒ヶ岳神社の駐車場までは、ジャンボタクシー(9人乗り)で¥18,000-です。
  • 刃渡り他の難所(五合以降の鎖場も含め)ではしっかりと道が整備されているので、不注意さえなければ大丈夫です。基本の三点支持と、岩や鎖にへばりつかない姿勢を忘れずに。
  • 七丈の小屋は整備が行き届いてます。今回はテント場にて宿泊しました。(¥500-/1人。テントの数では無く人数制。)
  • 小屋近くにトイレと水場がありますが、テン場はさらに上に登らなくてはなりません。(疲れた後大変ですが、、、(^^;) 約10分登らなくてはならないので、あらかじめ料金払い、水を汲んでから行きましょう。

○行程
竹宇駒ヶ岳神社(8:20発)→休憩(9:10〜20)→笹ノ平(10:05〜15)→休憩(11:10〜20)→刃渡り(12:00)→刀利天狗(12:30〜55)→五合小屋跡(13:35〜50)→休憩(14:20〜25)→七丈小屋(15:00・テント泊)
(2日目に続く)