シャトー酒折さんにてじっくりと吟味

今、マスカットベーリーAの樽熟成で熱い注目の眼差しを注がれているシャトー酒折さん。善兵衛さんの意図したワイン用葡萄のポテンシャルを発揮させたワインをリリースし、甲州に次ぐ第二の柱としてワイナリーの屋台骨を支える存在に成長しています。
今回、21日にアポが取れ、このBlogを通じて知りあったワインに造旨の深い知人や大学で農学を専攻している学生の方々と一緒に訪問し、醸造のチーフを務める井島正義氏の案内で、2006年7月2日の訪問以来フルコースでいろいろ見る事が出来ました!
上述しましたように、この時期はワインの仕込みが架橋もとい佳境を迎えることもあり、ワイナリーによっては多忙な所もありますので訪問時には要注意です。で、酒折さんは丁度仕込みが一段落した所で、絶好のタイミングでした。圧搾機やパレット等器具類は綺麗に清浄が終えられて、相も変わらずの衛生管理の徹底ぶりには感心します。
丁度この頃は、甲州の「にごりワイン」の出荷時期でもありこちらがメインですが、ノーマルの八幡・酒折産のベーリーAだけで無く、最近収穫したばかりの「こだわりの栽培職人」池川仁氏のベーリーAも仕込みが終わり発酵途中でした。
その、「キュベ・イケガワ」は以前のワインフェスの記事に触れている通り物凄く香りが特徴的でとても普通の生食に供されるベリーAからのそれとは異なる深みのあるカカオの薫りに驚かされるのですが、今年のは8月の酷暑にキッチリと太陽を浴びたブドウさんがしっかりと色素を蓄え、それにより渋味の要素が加わり、樽貯蔵中の2006年物より複雑味を増しています前日、別件の所用にて池川氏とお目にかかることが出来たのですが、ぶどうの出来具合はとの話に「まだ65点から70点ぐらい(ご本人によると合格点は85点以上・この向上心には頭が下ります!)」とのことなので、さらに良年になった時を想像すると末恐ろしいです。それだけでなく、池川氏の栽培技術向上とシンクロするかの如く、井島氏のブドウのポテンシャルを最大限に引き出す業も進化して行ってます。
一方、晩熟の甲州種(9月中〜10月中頃に収穫)は地域によって秋の長雨による収穫減の物も一部あったそうですが、こちらも順調に進行中。すでににごりワインは酒折地区産のものがリリースされており、フレッシュ・フルーティーな搾りたての味が楽しめます。
多忙な中、案内して下さった井島氏には本当に感謝しております。この場を借りて改めて御礼申し上げます。