シャルドネ至上主義の光と影

Winart (ワイナート) 2008年 5月号以前にも取り挙げ「甲州ワイン」の小特集が組まれていた『Winart (ワイナート) 2007年 11月号』ですが、今度の『Winart (ワイナート) 2008年 5月号』ではシャルドネの、日本の適地を探る(北海道、山形、福島、長野編)」というお題で記事が。
またまた立ち読みで見たのですが、各種数値データー(ブドウやワインの成分、ならびに気象や生育時期 etc.)はさて置き、気になったのが
「適地かどうかを無視し『やみくもに植えられて来た』」
というニュアンスで書かれていた事。賛否両論はあるかも知れませんが、フランスワイン・しかも白ではシャルドネを絶対視する傾向が強い日本では、確かにその幻影を追っかけてきた面を考えるとかような事実は否めない、、、。(実際、北海道ワインさんのドイツ・アルザス系品種へ視点を向けたことは確かに有意義であった。その結果が現在「鶴沼」シリーズとなって結実し、評価を得ている。)
ちなみに、小生の好きなワイン用ブドウの品種は、
<白(甲州以外で)>

  • シュナン・ブラン=アップルパイのような熟れたリンゴや蜂蜜っぽい濃厚なエキスとしょっぱい感じのミネラリーさが好き。(甘辛発泡とどんな仕立てでもそのキャラが崩れないのもイイ。)
  • ヴィオニエ=あの華やかやけど気品ある白桃やアプリコットの香りがよろしい。

<赤>

  • カベルネ・フラン=端正で気品のあるたたずまい(渋味・ブーケの様な香り)に魅かれます。カベルネ・ソーヴィニョンよりも素敵かも?

です。「マイナーやん」とツッコミ来そう*1ですが、まぁ以前紹介したこのブラックなサイトでも読んで下さいませ〜♪“Others”の項のKlevner (Pinot Blanc, Clevner)のトコロで、シャルドネが「醸造家のおもちゃ」とバッサリ切り捨てているのがオモロイ。)
このワイナート、買うんやったらワイン一本買えるので、立ち読みで充分です。(苦笑・詳しく読みたければ図書館使えばオッケー。)
多分次回は、山梨以西の産地が取り上げられるでしょう。
(追記:2008.4.10)
「日本のシャルドネ」とか「日本の甲州」というように、『日本の何々』を追求することになっていては手段の目的化で本末転倒です。そういうのは自然と後から付いてきます。以前の【小連載】でも触れましたが、テロワール(←あくまでも概念的な言葉で適地とは別)や技術や哲学という枝葉末節を超えたところにあるのです。
そうしたことを踏まえた上で、今回のワイナートの記事は問題提起という意味では評価しています。(何も各産地の優劣を比較するのでは無く、あれはあくまでも「データー」ですから。)最後は飲む人自身が判断すればいい事です。

*1:近所の酒屋さんの若旦那に「思いっきりマイナーですやん」とイジられました。(苦笑)