ビギナーから酒通まで楽しめる「ほんまもん」の日本酒イベント。

御猪口の底に書かれた、『酒は純米、燗ならなお良しー。』。
上原浩氏が、著書『純米酒を極める(光文社新書)』の冒頭に記した言葉です。夏の真っ只中に関わらずこの日は前日までの猛暑がウソのように涼しくなりましたが、「純米燗・夏の宴」の会場は熱気に包まれていました。昨年に引き続き小生は二度目の参加です。
今回、参加した蔵元さんは、

の二十五銘醸蔵。原料米にこだわり、あくまで米から醸した清酒を造ることに腐心する日本酒蔵さんが全国から集合しています。400人近くが参加する大きな会ですが、全席指定席で食事付きですので、食とお酒をしみじみと嗜みながら安心して頂くことが出来ます。また、主催者側のオーガナイズもしっかりして非常に充実したイベントです。(蔵元さんも「日本酒の真髄を味わって欲しい」とイベントに積極的な面々が集まってますので、もてなし上手なのがまたあり難い。)、吐器も置いてますので、お酒がそれほど強くない方は利き酒に徹するも良し、お酒好きはバラエティ溢れる純米酒を色々と嗜めるとどんな層にも充実して楽しめる催しなので、難しいこと抜きでモノホンの『日本酒』を知るにはうってつけでしょう。
米の旨さを知るには温かいご飯を頂くのと同様、日本酒でも温めてこそ真価を発揮します。燗だと温めるのが不便だなぁ〜と思われる方にも簡単に家庭で純米のお酒を頂くための、簡単に燗仕立てが出来る道具も抜かりなく参考展示されてます。




それと、お酒ならでの楽しみが熟成した古酒。先日の北海道ワインさん訪問記ではありませんが、熟成しても楽しむことが出来るのは日本酒でも同様です。良い原料から醸し出された純米酒では十年以上寝かせた大古酒でも十二分に頂けます。通常の純米酒純米吟醸酒とは違った味わいと深みがあって、こういうのだと、思わず濃厚な西洋料理とも合わせたくなります。(左が神亀さん、右が森喜さん。共に右側に写っているのが大古酒です。濃厚な琥珀色になっていることで熟成が進んでいることが分かるかと思います。)
一国だけが生産するお酒でありながら、日本酒はピンからキリまであって中々奥が深いです。でも、真に旨い御飯が『噛めば噛むほど味がある』のと同様、真に旨い純米酒は『味わえば味わうほど旨味を感じる』のです。こうした機会を利用して、日本酒の真の姿をとくと味わってもらえればほんま蔵元冥利に尽きるでしょう。