埋もれさせて置くのが勿体無い日本ワイン!〜 「今や昔」の溌剌さを思い起こさせます

ちょっと思うところがあって本日頂いたのが、先日訪問した山崎ワイナリーさんの『シャルドネ・樽発酵(2006)』。まだワインを飲み始めて真無しの頃、フランスの「シャブリ」を居候して働いていた信州のロッジにて夜のまかないの時に余り物を頂戴した記憶があります。今でこそ日本はワインの輸入大国になり、世界の様々なお国のワインを味わうことができるようになりましたが、当時は「シャブリ」と言えばシャルドネ種のブドウのワインの代名詞の様な言われ方をしていて、【「シャブリ」=「シャルドネのワイン」】かの如く判を押したかのように憶えていました。
ワインを飲み始めた頃だったので、キリリとしたシャープな酸味が特徴なんだなぁ〜と云うのが記憶に残っていましたが、それ以降そういった鮮烈な思い出を想起させるのには出逢ってません。(シャブリも今ではピンからキリまでありますから、、、。)
ワイナリーのワインリストを見ますと、樽発酵後の樽貯蔵はごく僅かに一ヶ月間。樽の風味より果実の風味に重きを置いていることが分かります。(これは、以前の訪問記でも記した通り。)生のライムをかじったかの様な趣ですが、決して「リンゴ酸水溶液」のような単に「酸っぱいだけ」ではありません。ちゃんと果実の風味を感じ、しかもけれん味が無い。
ピンポイントな所が無きにしもあらずですが、変に背伸びしてこねくり回さず、国内外問わず何処のシャルドネのワインでも醸し出せないキャラクターを表現している所は小生気に入ってます。かつてシャブリ頂いた時のビビッドな飲み口を現代風にアレンジしてなお且つ他に無い個性の味で、ハッとさせられる趣に仕上がっています。
右へ倣えの万人受けだけが全てではない。「今や昔」のいい意味で『主張のある味わい』を、何気に「こんなのもあってもよろしいやん。」とそっと問い掛けているように思えましたが、如何でしょうか?
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