甲州市に「ワイン認証制度」が導入される予定です。

かねてからの懸案とされてきた本制度ですが、元々は合併前に旧勝沼町で施行されていた条例を旧塩山市等併合した地域も加味して構想されて来たものがようやく形になる模様です。
甲州産ワイン:認証制度導入へ 市が10年産から
(「毎日jp」より、2008年12月6日付記事)
ワイン認証制度、新たに創設へ 山梨
(「MSN産経ニュース」より、2008年12月9日付記事)
上記産経新聞の記事は「Yahoo!ニュース」にも掲載。
現在、条例案が提出され審議されている模様で、おおまかな内容が記事には記されてますが、どのような仕組みとなるのか興味深いところです。
日本の国内では、現在ワインに関する認証制度として公的なものでは、長野県の『長野県原産地呼称管理制度』と山形県の『山形セレクション』が制定されていますが、この先例や外国の物を参考にしつつ、後発であることを逆に生かし独自の仕組みを取り込むことが望まれます。あくまでも私見ですが、官能評価と個人の嗜好が必ずしも一致しないことを踏まえ、原産地認証制度とワイン評価制度と分けてみるという提言として、かい摘んで記して見ました。
小生の試案は下記の様なものです。

  1. 原産地認証制度は産地呼称を明示させるために「山梨県内産」「甲州市内産」を記録・管理し、その内容をラベルに記載(表のエチケットないしは裏ラベルに)する。この表記で産地のお墨付きを広く内外に浸透させる。
  2. ワイン評価制度では一定の評価基準に官能評価を加え、評価基準と官能評価をクリアしたものを「産地推奨ワイン」とし、その中で特に優れたものを「産地優秀ワイン」と認定して、ワイナリー販売価格より一定の割合(例えば、「産地推奨ワイン」は販売価格の5%、「産地優秀ワイン」は10%と規定。この数字はあくまで例です。)を農家へのインセンティブとして、売り上げから直接還元する。
  3. 但し、産地形成は市場原理に則ったもので、ある程度自由競争の中から高い志を持つワイナリーが地域に還元し、なおかつワイナリーにメリットをもたらすもので無くてはならないと考え、この評価制度は強制ではなく任意申請とする。
    (評価が強制では、その評価に挙がることが目標となって、手段が目的化される懸念がある。また、ワイン造りに関しては各ワイナリーの裁量や個性の違いが存在するので、強制とするのはその存在意義と反してしまう。)

という形で盛り込むのも悪くはないと思うが、如何でしょうか?(決して、「単なる保護政策や過剰なコンプライアンス」に陥ることだけは避けて欲しい。)
無論、原産地認証やワイン評価の審査は透明性を確保することが前提なのは言うまでもないですが、その議論はもっと奥深い話になるので機会を改めて考え、別途そのお話を書いてみたいと思います。
○関連記事
【小連載】本当に「日本のワイン」が認知されるためには、、、?(その2)
(2008年3月13日小生記事)
前略、盆略様へ、そして日本のワインが好きな皆様へ、、、
(2006年12月4日小生記事、『国産ワイン表示に関する基準』の項参照。)