棚田畑のピノに再会

前日に引き続き、前年より栽培のお手伝いをしている、かのピノ・ノワールの畑に行って参りました。今日のお仕事は草刈りに誘引、頂部摘心*1の3点で、午前は主に草刈りを、午後は誘引と頂部摘心を行いました。

今回は手押し式の草刈り機を使用してます。前年はハンディータイプの刈り払い機で、手押しも1回使わせて貰いましたが、ひいこら言いながら冷や汗かきっぱなしだったので刈り払い機になったという経緯があり、久しぶりなので「使いこなせるかな?」と心配でしたが、あっという間に慣れました。使う内にコツを掴んでくるとまた作業が楽しくなり、「ここはこう工夫して刈ろうか?」といったいい意味での「欲」が出てきます。「漫然と作業する」のでは無く、常に考える(しかも考えさせられるのではなく、自然に「考える」方に頭がスイッチするというのでしょうか、、、。)というのが何事でも大切ですが、農作業ではそう云ったことに上手く染まれるかが鍵でしょう。



開花も始まってました。今年のはいい具合です。去年は譲り受けた状態のままだったのでゴブレット仕立てでしたが、「もうこりごり(苦笑)」ということでギュイヨー(ドゥブル)仕立てに樹型を変えています。お陰で作業性は格段に向上。樹の状態もものすごく良くなりました。
譲り受ける前の管理していた人が素人だった故に前年はどえらい状態で、「ジャングル作戦」を取り、敢えて樹を徹底的に伸ばしました。そうすると、樹も人間と同様同じ生き物ですから、疲れが出て翌年勢いが落ちます。この状態から、しっかり管理すれば、あとは樹勢が自然と落ち着き、「メタボ」でもなく、管理されたサイボーグ的な「スポーツマン」でもない、しなやかな「アスリート」的状態になるのです。いやぁ、本当にブドウ栽培は奥が深い、、、。

*1:結果枝となる新梢の先端を完全にカットするのではなく、軽くつまむ感じで折れない程度に摘心する。こうすることにより傷ついた樹の先端を修復しようと働くので、脇芽が出て伸びる勢いを止めることが出来、なおかつ先端の伸びも収まる。完全にカットしてしまうと、今度は脇芽が伸びるので却って栄養成長(樹が旺盛に伸びる段階)の勢いが止まらなくなります。植物の生理を理解することは、果き類で最も難しいブドウ栽培にとって本当に重要なことです。