Sonomaのワイナリーを訪ねて(前編)

サンフランシスコではコンドミニアムにて宿泊。皆でワイワイガヤガヤと食卓を囲み、ビールとワインを愉しみました。
そして29日は、今回の旅のもう一つの目的であるソノマ(Sonoma)のワイナリー訪問へ。在カリフォルニアワイナリーのツーリズムが専門の現地在住ガイド・小林真奈美さんが案内して下さりました。ピノ・ノワールシャルドネの有数の産地・Russian River Valleyに的を絞って計4軒訪問しましたが、前編と後編に分けてお伝えします。
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Martinelli
最初の訪問先は、著名な女流ワインメーカー・Helen Turley女史がコンサルタントを勤めるMartinelli(マルティネリ)から(場所はコチラ。イタリア・トスカーナ州からの移民、Giuseppe Martinelli(ジョゼッペ・マルティネリ)とLuisa Vellutini(ルイサ・ヴェルティニ)の二人が1887年に葡萄栽培をこの地で始めたのがワイナリーの発端です。

テイスティングルームにて一通りさせて頂きましたワインはピノ・ノワールシャルドネがメインで、畑の区画毎に仕込んだ物を色々とリリースしてますが、ジンファンデルやシラー等のヴァラエタルワインも出していて、中でもジンファンデルで目を引く銘柄があります。基本的には、ブルゴーニュを意識した気品のあるスタイルなのですが、ジンファンデルはリッチで濃厚なタッチのオーソドックスなカリフォルニアスタイルと「こだわり」を持っています。
記憶に最も残ったのが、“Vigneto di Evo(2006)”(写真左端の赤いラベル)と“Jackass Vineyard(2007)”(写真中の黒いラベル)の二つのジンファンデル・ワイン。前者はパワフルでアルコール度数が17.2度(!)。ウスターソースのようなエキスの濃さが加わり強烈な印象です。後者はダークチェリーやプルーンのような果実の風味が鬼のように湧き上がってくる中に滑らかな舌触りが感じられます。両方のワインとも、しっかりと熟して果実の底力があるせいか樽っぽさは感じさせません。やはり、ジンのワインはオーソドックスなカリフォルニアスタイルがお似合いです。


Rochioli
こじんまりとしたゲストハウスながらも、瀟洒で気高さを感じるRochioli(ロキオリ)(場所はコチラ。実は、こちらのワインはホワイトハウスの御用達だそうで、なるほどゲストハウスの雰囲気からしてそうだなぁと納得。とはいえ、カリフォルニアらしく大らかな感じでテイスティングルームの担当者は応対して下さりました。

1938年よりJoe Rochioli Sr.がブドウ栽培を始め、現在は二代目のJoe Rochioli Jr.と三代目のTom Rochioli親子がワイナリーを営んでます。一般に販売されているのはボトムレンジの“エステート”シリーズで、これらはワイナリーで購入できます。しかし、表に載せていないワインもあります。それが、単一畑の“J. Rochioli”シリーズで、これらは一般には入手不可。聞けば、ウエイティングリストに名前を載せて“エステート”シリーズを数年間継続して購入した上客にのみ購入が許されるそうです。

それでも、“エステート”シリーズはボトムレンジといっても格が違います。エレガンスさに余韻の長さ・豊かな風味とブルゴーニュピノ・ノワールシャルドネに引けを取らない、いや次元の違う風格すら漂わせています。『本家』よりも本家らしいかもしれません。これには、素直に降参する他ありませんでした。
Rochioliのポテンシャルの高さに驚き、感動した小生ですが、まだまだワイナリー巡りはこれからです。(後編に続く)