どういった方向へ活用するか? そこが問題です。

畑の観察 遠隔地からOK 都内業者とNEC甲府支店が実験 高齢農家のニーズ期待
(「山梨日日新聞Webサイト〜みるじゃん」2010年7月8日記事より)
「高齢農家さんのニーズに期待」とありますが、果たしてこれからの農業を担う農業者へのニーズ(需要)の方が大きいのでは?、と考えさせられる記事です。
(あと、元研究者であった経験談としては、ニーズより思惑だけでシーズが先走ってる様になってるなぁ・・・、と。)
無論、高齢化した農家の負担軽減では意味があるかもしれません。しかし、ぶっちゃけ先が無い(跡取りがいない)年寄の方々が、この先大きな投資をしてかような装置を本当に導入するのでしょうか?
それと、遠隔データー収集の活用に対する方向性が違っているように思えます。実際、今年1月の視察でも出展されていた装置は、園場の気象観測や土壌のデーターを収集し、その内容を事後に活用することを狙いとしてます。また、大量に生産することでコストダウンも図りつつ、正確なデーターを計測することに重きを置いています。合理性を重視する米国ならではと一言で言い切ってしまうよりも、あれもこれも機能を盛り込むのではなく遠隔操作の装置ならではの役割に徹底させていると考えた方が自然かなぁ、と小生は思うのです。
本当の市場のニーズは何か? そして、日本の農業を変革させるなら、如何なる方向性へ持って行くべきか? この記事の奥には深い問い掛けが垣間見えるのです。