自園甲州の第一回目仕込み(&白ワインの造り方)

今日は、22日に収穫した甲州を仕込みます。朝一番、ワイナリーさんが手配した冷蔵倉庫にて保管したブドウが到着しました。コンベアに乗ってコンテナごとブドウが次々と除梗・破砕機へ投入されて行きます。



右縦長の写真が除梗・破砕機です。以前書きました記事のように房から粒だけをより分けて、搾汁機の中に粒とジュース(この時のジュースが「フリーラン」です。)を送り込みます。今回は、スキンコンタクト(仏=マセラシオン・ペリキュレール)を施すので、搾汁機の中でしばらくフリーランジュースの中に粒を漬け込みます。



約1時間のスキンコンタクト後、フリーランジュースを先に搾汁機から発酵タンクへと移し替えます。新鮮なフリーランは、このように綺麗な(白色に近い)淡黄色のジュースです。とても美味しかったですよ。



そして、圧力をかけて搾汁機から「プレスラン」ジュースを搾り出します。圧力がかかるのでより甘味や旨味も抽出されますが、甲州種独特の皮の色素やえぐみも染み出して来るのでやや褐色のジュースになります。加減が過ぎるとえぐみが多くなるので、味を見ながらプレスを制御します。



プレスランも発酵タンクへ移した後は、甲州独特のえぐみを取るためにポリビニルポリピロリドン(PVPP)を投入して撹拌します。フリーとプレスでは色でも分かるように含まれるえぐみ(=ポリフェノール)の量が異なるので別々のタンクに分けて清澄化し、静置して数日後に底に沈んだ果皮や果肉の断片とPVPPを一緒に除いて上澄みを分離します。(英:ラッキング、仏:デブルバージュ)
この上澄みに、酵母を添加して発酵させるのです。



以上、仕込みの手順を簡単に紹介しましたが、用いた機械は下記写真のように徹底洗浄されます。地道な衛生管理があってこそ、美味しいワインなのです。(しかも、無用な添加物や余分な工程を削減出来、必要以上に手を加えない『生きた』ワインとなります。)
  



栽培家と醸造家との緊密なコラボレーションによるワイン造りですが、ワイナリーの皆さんがかように支えて下さっていることを改めて実感した次第です。シャトー酒折さんには、この場を借りまして改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
○関連記事
仕込み体験
(シャトー酒折さんのブログ・「ワインの息遣い」2010年9月25日記事より)
ピノ・ノワールの収穫完了(&赤ワインの造り方)(小生2008年9月7日記事)