待望の日本ワイン書籍の「決定版」〜『日本ワインガイド』

日本ワインガイド2003年頃にブームの兆しが見え、2004年に雑誌「dancyu」(12月号)の特集で取り上げてブレイクした日本のワイン。これまでに数多くの書籍が出版されてきましたが、この本は、決定版といえるのではなかろうか。
日本のワインの歴史に始まり、今を知るための「実力を示す100本」・ワイナリーガイド・豊富なデーターと優良酒販店一覧など目白押しの内容だが、「純国産(原料ブドウが全て日本産)」と絞りこむ事により、総花的・散文的になりがちなワイナリー紹介を丁寧に造り込めたことから、完成度の高い内容になったと思います。レイアウト・装丁の工夫が随所に見られ、読者の理解を助ける工夫が施されているのも目を見張ります。
著者の鹿取みゆきさんは、日本のワインを伝えるジャーナリストの第一人者として良く知られています。小生もこのBlogを書いていた事から、栽培家に転身する以前より何度かお目にかかる機会がありました。実際、私がワイナリー訪問等で出かけた際にもバッタリ会ったりと、日本全国津々浦々精力的な取材をされていた事は存じ上げております。
何しろ、私個人が当Blogで [ワイナリー訪問記] を書く際にはいろいろとワイナリー関係者に根掘り葉掘り聴かせて貰い、その内容を出来るだけ充実した形で書こうと腐心していたので、圧倒されるヴォリュームの内容となったこの本の制作には、単なる年月だけでは図れない鬼のような「仕事量」があったと小生は痛感します。
そんな本書は、日本のワインを深く知るための「赤本」。 今の日本ワインの現状から歴史、そして「純国産」のワイナリーが存在することを知って欲しいと同時に、日本のワインを造る上での課題・これからの展望もまずはこの本を通じて知って欲しいと思います。