医療の話も一面だけで見てはならない。

今朝のNHKニュースで北海道の北見赤十字病院の内科診療が医師の退職により休止に追い込まれ、

  • 奥様の慢性リュウマチの治療で釧路に通わざるを得なくなり、4年早く会社を退職するしか選択肢の無かった初老の夫婦
  • 親しい友人がいた故郷を離れ、旭川に引っ越しして治療を受けざるを得なくなったこちらも初老の男性

といった事例に引き合いに出し、地元が揺れているとの報道がされていました。北見赤十字病院の件はこちらを。
北見赤十字病院で内科医6人全員が辞意
(「nikkansports.com - 北海道ニュース」より)
だが、問題は一筋縄では行かないようです。
医療崩壊 さすがに釣りだと思いたい 北見赤十字病院内科医大量退職問題の地元掲示板→やはりネタだったが元ネタは「彦根市立病院での安心なお産を願う会 掲示板」の昨年1月の書き込み
(「天漢日乗」より)
とにかく、ここのリンクを読んで頂ければ分かるのですが、病院側と患者側の相互信頼が完全に崩壊しています。そして、医師が人の命を救うよりも自身の健康を最優先にしなくてはならない状況ということです。(これは、北見に限らない現実です。)
後期高齢者医療制度」の是非が問われていますが、いまの国民健康保険は蓄えを取り崩しているだけで、小生が爺さんになる頃はもう原資が無いのは確実。そして一番健康を害してはならない医者にもそれ相応の見返りが必要です。「弱い老人いじめをするな」と言うてますが、取るべき人からはしっかり取り、家族の一員が重病で会社を辞めてでも通わざるを得ない人には補助するといったどんぶり勘定ではないお金の集約と配分、まじめに医療に従事する人をしっかりとサポートする(悪徳な人もいるのでちゃんとチェックもしなければなりません。)という短期的にも長期的にも論理的かついろんな視野からやらなければならない課題が沢山あります。
本当の意味での「相互信頼」(英語で“respect”。単なる尊敬ではないのです。決して、感傷的な思いやりではありません。)が今の日本の中には欠けている。そう実感した朝でした。