おおさかワインフェス2026 ご来場の皆様へ

こんにちは❗️

2026年4月19日(日)は恒例の“おおさかワインフェス”の開催日です。

ご来場の皆様への案内を以下に記していきます。。
事前に読んで頂ければ、当日戸惑うことなく来て頂けるかと思います。
【追記(2026年4月18日)】
当日のマップ入りフライヤーが公開されました。リンクを追加で掲載しました(下へスクロールしてご覧ください)。

《お願い》
- 駅から会場へのアクセスは、交通安全に注意して近隣の方々への配慮の上お越しください。
- 水・ソフトドリンク以外の飲食物の持ち込みは固くお断りします。フードは会場内のブースにてお買い求めください。


【会場について】
今回は、羽曳野市駒ヶ谷駅そばの「石川河川公園」です。
お間違えのないように。

https://www.toshi-kouen.jp/staticpages/index.php/ishikawa_access
(大阪府・石川河川公園、webサイトより)


【交通機関について】
大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線に乗車して、駒ヶ谷駅へ向かって下さい。

近鉄路線図より引用

予め、鉄道検索アプリやYahoo!乗換案内

https://transit.yahoo.co.jp

で、検索して行くのが無難です。
(途中でうっかり河内長野・富田林方面に向かう人が多いので要注意❗️)

今年は、近畿日本鉄道株式会社様が南大阪線の急行ならびに区間急行を駒ヶ谷駅で臨時停車と便宜を図ってくれています。臨時停車する便の時刻表は、下記近鉄公式ホームページのお知らせを確認の上、ご利用下さいませ。
www.kintetsu.co.jp
注)臨時停車に関しては近鉄公式のダイヤ案内ではご案内しておりません(Webサイトに文面ございます)。ご注意下さい。


【駅から会場へ】
少し分かりづらいので、添付の写真を参照して下さい。
駅から踏切を渡り、すぐに右折して公園への入口に進んでください。

(1:駒ヶ谷駅下車後)

駒ヶ谷駅前の踏切を渡ります。

(2:踏切横断して右折)

踏切を渡って右折してください(係員がおりますので指示に従って安全に)。

(3:公園へのアプローチ)

道なりに進むとこちらに。「駒ヶ谷駅西側公園」の看板が目印です。

(4:石川河川公園会場へ)

丸屋根の建物横を通り抜けます。

くれぐれも、ご近所の迷惑にならないようお願い申し上げます。

道案内はYouTubeでも公開中❗️
youtube.com


【その他】
当日のマップが入ったフライヤーが公開されました。PDFファイルございますので下記のリンクよりクリックしてご覧下さい。
おおさかワインフェス2026 当日マップ入りフライヤー(PDFファイル)

水などの飲み物は、事前に買っておくことをおすすめします。
自販機が、駅周辺や公園にはありますが売り切れになるかも?

駅周辺には、コンビニがございません。ご注意下さい。
(一番近いコンビニは、公園から10分以上離れた所まで歩いて行かないと行けません…。)

https://maps.app.goo.gl/h9Dy8mzTKiEDy1pV6?g_st=ic
(石川河川公園、Googleマップより)


公園は、芝生の広場があってこちらが会場となります。伸び伸びと過ごせますよ。

マナーを守って、楽しくワインフェスを満喫しましょう〜🎵
折角ですので、当方“おおさかぶどう・ワインの郷”が手掛けるワインの紹介もご覧ください。

www.youtube.com

それでは、よろしくお願い申し上げます。

私の「大先生」

突然の報に驚くほかなかった…

小生にとって、山梨・いや日本のワインの道へとある意味誘った、多大な影響を受けた方の一人である。「大先生」を偲んで、一筆記したい。

拙Blogにも過去記事で挙げておりますが、思い出の投稿を抜粋して下記にピックアップしておく。

okkuu-daaman.hatenablog.jp

okkuu-daaman.hatenablog.jp

山梨のワイナリー関係者諸氏から絶大なる信頼を寄せられ、またお客様にはいつも笑顔でかつ真摯に対峙して下さった新田正明氏。

ブロガー時代は山梨に赴く度に足を運び、「中の人」になってそれから故郷の大阪に戻っても、事ある毎に山梨のワインを購入させて頂いた(先月もちょこっと連絡取ったばかりであった)。

随分お世話になりました。私にとっては「大先生」以外の何者でも無い。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

【追記(2026年4月13日)】
新田正明氏が遺してくれたもの

あの朗々とした声を実際に聴けなくなったのは残念だが、氏の足跡を偲び、遺してくださったものがこうして目に出来ることは、かけがえの無い財産。
もし良かったら手に取って目を通して貰いたい。これから日本のワインを知りたい人にとってもお勧めでもある。

上記写真の書籍は現在も入手可能なので是非。

内容は出版当時の状況を基にしているが、造り手さんの紹介は簡潔な中にも愛情溢れており、その人となりがよく分かる。
また、山梨のぶどう・ワインを取り巻く歴史やこれからに向けての提言は今に通じるものがある。
上記の書籍に加え、文献の紹介も併記しておきたい。下記の書籍リンクに引き続き紹介を記す。
万人必読‼️

books.ikaros.jp
www.gei-shin.co.jp
WANDS(ウォンズ)2020年10月号(No.418)
『山梨の未来のために 甲州のテロワールを探る』(14・15頁)

特集「日本ワイン揺籃の地・山梨 甲州のポテンシャルを探る」の一節で、編集人・名越康子様が聴き手となり、山梨各地の甲州の地域特性にいち早く着目した新田氏が解説する。
専門誌で有るが、甲州種特集も含めて、こちらも読んで頂きたい。

水和硫黄剤「クムラス®️」を使ってみた!(ぶどう農業者向け記事)

(「クムラス」は独BASF社の登録商標です。)

注) 農薬の使用にあたっては、各人の責任の下、使用上の注意をよく守ってお使い下さい。

ぶどう栽培における古典的な薬剤といえば、「ボルドー液」と「石灰硫黄合剤(以下、“合剤”と略)」が長年に渡って重宝されてきた。

前者は最近「ICボルドー(井上石灰工業株式会社)」や「ムッシュボルドー®️DF(日本曹達株式会社・登録商標)」の様な製品が登場し、近年取扱性の向上が図られて来た。
一方で、後者に関してはもっぱら春先の休眠期防除で合剤が用いられているが、必要な容量が多い・刺激臭を有するなど、取扱性の面で難があった。

ところが、最近表記の薬剤が登場し、2021年にぶどうの休眠期防除に適用拡大がされ・混用事例の確認も進んできた(出典:acera-nouyakuのブログ『アグリ通信.ACERA』第58巻通刊631(2025年1月31日の記事))。
ameblo.jp

当方の近所の農協さんでも昨年より扱いが始まり、たまたま地域の親しい生食用のぶどう栽培者からお話を聴き扱いに優れている旨の情報を得たので、ちょうど今期の休眠期防除に導入してみようと考えた次第。

ここは小生の昔取った杵柄。化学の研究屋さんだったこともあり、事前に販売元のサンケイ化学株式会社様にも電話で問い合わせを行い、技術に詳しい方とお話をさせて頂いたので、そこで得られた情報も含め今回の使用での所感も記しておく。

クムラス®️
製造は、ドイツの化学メーカーBASF。販売元が、サンケイ化学株式会社。
包装は1kgと3kgにて販売。登録内容は、サンケイ化学株式会社様の製品情報にてご覧頂きたい。

www.sankei-chem.com


【はじめに】

クムラス1kg包装品

今回1kgの包装にて購入したが、市場では1,400〜1,500円台(税込)で売られていることが多い。ちなみに、合剤の18Lキュービテナーは実勢価格がおおよそ3,000〜3,500円台(税込)となる。
ここで、包装単位では無く実際の使用単位で価格を比べてみよう。仮に、クムラスを登録内容の300倍、合剤を10倍で100L溶液で調整するとなると…
○クムラス
1kg 1,400円の場合→333g使用で、=1400×333/1000 = 466.2円
○合剤
18L 3,000円の場合→10L使用で、=3000×10/18 = 1,666.667円
価格面でも、クムラスが優位である。合剤を20倍にしても800円台となる。

外観は写真の通り、褐色の顆粒状で粉末でないことから粉塵が立ちにくく秤量がしやすい。

クムラス外観

また水にも溶けやすく、溶液の調整では特別扱いに困ることは無いと考えられる。
硫黄独特の臭気もするが、強塩基性の合剤と比べて少なく刺激性はほとんど無い。よって、住宅地に近接している圃場での使用にも応用が可能なのではと予想される。
実際に、上記のBlogを記している株式会社アセラの地元・山梨県では県発行の防除歴にもそうした旨で記載された模様である。

休眠期防除の選択肢として、本剤は一考の余地があろう。

【展着剤について】
PDFの資料中に、展着剤の加用をお勧めするとの記述があったので、サンケイ化学様への問い合わせの際に具体的な材の種類を伺ってみると、同社販売の「園芸ボルドー」でも使用が推奨されている「ブレイクスルー」をお勧めされた。

こちらは、シリコン系のノニオン系展着剤であるが、同等の製品として「まくぴか(石原バイオサイエンス株式会社)」でも可とのことである。機能としては濡れ性を改善するが、これにより結果母枝への濡れ性だけでなく散布液が樹皮の間にも入り込みやすくなるので、ブドウハモグリダニの防除に適しているとの見解であった。

また、個人的には固着型の「アビオンE(アビオン株式会社)」も適していると考えている。
水和硫黄剤は基本的に枝の表面に固着する形で作用するので、付着性を高め優れた対雨性を有するこちらの展着剤との相性も良いと予測できる。後述する特別栽培や有機栽培を採る農業者にとっては展着剤も限られたものになるので、有機JAS使用可能なアビオンEは有用であろう。

【混用について】
混用事例も表記WebサイトにPDFにて公開されているが、基本休眠期防除で用いられるものなら殆ど使用可能なのが多く、混用して散布することで防除の手間を軽減出来るのは大きな利点である。

唯一「べフラン」は凝集が生じるので実用上問題ありとの記述があるが、私個人の見解では劇薬のべフランについては休眠期防除使用に関して勧めていない(効用も他の薬剤より劣る感がある)ので、考慮しなくても良いと考えている。

混用可能な薬剤で目を引くのが、合剤では不可である「デラン®️フロアブル(こちらも独BASF社の登録商標)」である。この薬剤、近年流行りのシャインマスカットが感染しやすい黒とう病の最終兵器として休眠期に使われることがままあるので、クムラスと混用できることは前のシーズン黒とう病に罹病した園で感染を軽減したい所では使い勝手向上の面で朗報であろう(但し、劇薬指定の薬剤なので、あくまで「最終兵器」であることに留意されたい)。

【特別栽培での使用に関して】
いわゆる“水和硫黄剤”なので、こちらの商品も特別栽培や有機栽培での使用を意識されている農業者もいることが予想されるが、本件に関しても問い合わせてみたところ、有機農産物の日本農林規格(JAS1605)に記載の“水和硫黄剤”(出典:農林水産省Webサイト、「有機食品の検査認証制度」のページでの、【有機JAS・告示等】の項。表の「1.有機農産物」の欄に記載のPDF01を参照)に該当するとの見解を頂戴している。
www.maff.go.jp

が、もし使用を検討されている場合は販売元のサンケイ化学株式会社まで確認を取ってもらった方が無難である。

今回、当方では「ベンレート®️水和剤(住友化学株式会社・登録商標)」との混用で、比較のため展着剤に「まくぴか」と「アビオンE」を用いてみたが、散布に関しては特段の問題も無く無事に終えることが出来た。取扱性の向上については実感している。
この記事を書くにあたって、関係者の皆様には改めて御礼申し上げます。

最後に、この情報に関しては可能な限り正確な記述を行なっているが、その安全性や最新性について保証するものでは無い。本投稿の情報に基づいて行う一切の行為に関して当方は何ら責任を負うものでは無いことと、本投稿上の情報は予告無しに変更・削除されることがあることに留意して頂きたい。

以上です。

キリ番(第30号)を迎えた『日本ワイン紀行』に寄せて… 日本のワインの将来を考える上で欠かせないもの

私がこのBlogを立ち上げたのは、2006年の3月…
振り返って観ると、20年を経過していた。

意識していなかったのだが、今この文章をしたためながら初めて気がついた。

当時、日本ワインがメディアに注目され始めて間も無い時期で、それまではワインといえば海外ものが主流で、日本国内では大手酒造メーカーやその関連会社、あるいは“地ワイン”の先駆けとも云える十勝ワインをはじめとする地方である程度規模のある中堅醸造元が知られる程度であった。
私は、両親・特に父親の影響もあって地元大阪のワインも意識して買っていたが、勿論メジャーでは無くかろうじて地元民が贔屓にしていた側面があったのは言うまでもない…

そんな中、マスメディアが日本のワインを初めて大きく取り上げたのが『dancyu』2004年の12月号である。
当時偶然書店で目にした小生は、早速購入してくまなく読んだが、全国各地に幾多の造り手が活躍していることを知り、
「知らんかった…こりゃ“井の中の蛙”だ」
と半分打ちのめされたといっても過言では無かった。

やがて、登山も趣味にしていた小生は、“山ある所日本のワインあり”といった感じで、果樹産地と登山先がシンクロしていたこともあって、山へ足を運ぶ機会を絡めてワイン産地へと足繁く通うことになる。

その記録が、当Blogとなって今に続いている。

私が日本各地を訪ね目の当たりにしたのは、グローバルなフォーマットを基に様々な国へ波及していったワインが、日本においてもその土地で育まれた地域性を土台に独自のあり様で根付いていったという至極真っ当なことであり、それが異国の手に届かないもので無く自国で足を運べる所にも存在していたという事実だ。

勿論、ワインの銘醸地と呼ばれる諸外国と比べ、原産地呼称なる制度は存在せず*1いかんせんそのレベルの差は正直あるにせよ、日本各地にぶどう産地は点在する中で、ある意味細々とではあるが“葡萄酒造り”というものが存在していたのは事実である。よくよく考えて見ると、ワインは雑駁に言えばぶどうを搾った果汁を醗酵させるという酒類の中でもシンプルな過程を経て産み出される由縁からも(明治期の文明開化や殖産興業政策の振興があったにせよ)ある意味世界各地に伝播しやすいものとして成立したといえよう。
また、世界各国のワインが、国という大きな括り以外に留まらず産地の地域性を色濃く反映した存在ということから分かる様に、至極真っ当な事であるとは云え日本でもその地域に即した形で銘品が各地に点在している事は、ある意味で必然の成り行きだったのかもしれない。

これは、サッカーという世界的に最も広まっているスポーツが、シンプルにボールを足で蹴ってゴールに叩き込むというルールでありながら、お国柄やその地域性を包含して世界各地に拡がっていた事と相似をなしている。

かような背景から、私も日本のワインを追っかけるブロガーとして色々と物申して来たが、何せ個人が休日に時間を拵えてある意味“取材”を重ねていくが、仕事でワインに携わる・あるいはジャーナリストとしてでは無かった事からいかんせん限界がある。
そうした中で、数少ないながらも当時刊行された日本ワインを取り上げた様々な書籍には非常にお世話になった。また、全国を回る内に当時は出来たばかりのソーシャルメディアで日本ワインを追っかけている人々と顔を合わせたりすることから、活動の中で情報をお互いに得ることもあったりした。

2004年から2005年、数少ない日本のワインを取り上げた雑誌。
特に、『dancyu』2004年12月号はその端緒と言えよう…
あと、当時日本ワインを書籍で記したものが、弁護士でもありワイン関係に
造詣の深かった故山本博先生の著作であり、その存在は貴重であった。

こうして、全国各地のワイン産地を訪ね歩いて日増しに深まったのは、従来ワインの本(あるいは教本)に書かれている通りの一辺倒の通念とは異なる有り様が何処か存在し、諸外国のワイン産地での常識をそのまま持ち込んでも通用しない現実と向き合う姿であった。
“郷に入っては郷に従え”では無いが、むしろその地の環境に合わせて咀嚼し発展させるという逞しさで持って克服して美味しいワインとなって結実させていったそのプロセスに、行く度ごとに感嘆して行った事実である。

正に、
「行ってもいないのに、見て来たかの様に見て来たかの様に云うな❗️」
とのポリシーはこの時に確立し、自身が今携わるぶどう栽培やワイン醸造の考えに於いて根底を成している。
理論や過去の歴史だけが全てでは無く、正に答えは「現場の中にある」のだ…
なぜ現場視点が欠かせないのかは、言うまでも無く、農産物であるぶどうの栽培においては育まれる土地に立脚する地理的ならびに気候条件が大きな要素であること。また、醸造そのものが工業的な面を持つ工程でありながらも風土や歴史的背景を抜きにしては語れない側面からも窺える。

時は経ち、小生も今業界の“中の人”となっているが、あの頃の気持ちはBlogのタイトルよろしく、忘れてはならないものであると現在も痛感している。

とはいえ、「日本のワイン」が持て囃されて行った現状を業界の片隅から見守って来た小生としては、安閑としていられないことも事実で、“実際の現場の声”を如何に拾い上げながらも世間に認知して行かざるを得ない“発展途上であるにも関わらず急速拡大した業界”ならではの曲がり角に差し掛かっているのを肌で感じている。

以上のような状況に於いて強く求められるのは、表層的な切り取りでは無く出来るだけ深層を深掘りして行く姿勢に加え、単なる「趣味的」な視線では無く産業としての在り方を如何にして往く俯瞰的な視座での現状認識を、詳らかに伝えて行く事が至上命題であると小生は考えている。
特に、嗜好品としての側面が強いワインというジャンルでは、とかく趣味性の強い見方に陥りがちで、産業として発展維持して行くには個人の趣味嗜好を一旦外に置いた上での冷静な判断が求められる。

そうした想いの中偶然ではあるが、かつて鉄道情報誌『鉄道ジャーナル』*2の巻頭記事を主戦場に執筆を重ねて来た鉄道ライター・土屋武之氏が表記雑誌の休刊後*3、自身で立ち上げたWebメディアを目にする機会があり、その巻頭言には大いに頷かされるものがあったので引用させて頂く…

【企画主旨・編集方針】

  • 「趣味」に偏しがちな鉄道出版業界においては、客観的に鉄道の実情を伝える媒体が乏しいため、『鉄道ジャーナル』の精神を少しでも受け継ぎ、取材・執筆に当たる。
  • 鉄道会社の“身内”からの発言・PRではない、一般利用客目線からの観察・評論として、ありのままの鉄道の姿を描写することに努める。
  • 速報性より、施策の定着が見られた段階での取材・評論を心がける。
  • 「線路の上だけでものごとを考えない」ことを徹底する。そのため、鉄道だけではなく、バスなど他の公共交通機関、さらには背景となる地域の実情など、可能な限り広い視野から見つめる。

(土屋武之:T's Express: 2025年9月号、刊行にあたっての巻頭言より。)
読み易さを踏まえ、句読点などの約物に関しては一部手を加えています。

これは、「鉄道」と云うフレーズを他のジャンル(例えば「音楽」「サッカー」とか「ワイン」と云う嗜好性の上に趣味性の強いジャンルはもちろん、工業的なプロダクツも含めて森羅万象色々なジャンルにおいても同じである)に置き換えても普遍的なことで、メディアにおけるジャーナリズムの在り方の基本を再確認する上で、重要なものの見方では無いかと再確認させられた。特に、4項目目に挙げられている社会の中において様々な見地から意図して捉える事は、「ジャンルの中からの観点」のみにとどまる故の「内輪受け(もしくは排他的存在)」に陥る危険性を回避するだけで無く、社会の中で共感を持って迎えられることによりその存在意義を高められることにも繋がるからだ。
ともすれば、ジャーナリズムとは特定の思想信条(イデオロギー)に染まるものではなく、新聞や書籍・テレビ以上に短時間で情報が伝播して行くインターネットという名の情報の洪水がメディアの主流となりつつある今、かつてよりも丹念に事実を紡ぐと云う基本に立ち返ることを踏まえての役割が強く求められていると確信している。

そうした中で、「日本のワイン」の現状を俯瞰的に捉えている数少ない貴重なメディアと小生が捉えている雑誌がある。

ワインを中心とした酒卸問屋であり、海外ワインの輸入も手掛ける株式会社飯田さんが刊行する季刊誌『日本ワイン紀行』がそれである。

nihonwine.base.ec

キリ番を迎えた『日本ワイン紀行』
左が第29号、右が先日発刊された第30号。

2018年の創刊以来はや8年の月日が過ぎ、この3月でもってキリ番の30号を迎えた事は感慨深い。
ともすれば業界誌ならではの身内のしがらみに左右される懸念もあった中で、外部のライターを取材陣に迎えて客観的な目線での取材を心掛け、精緻な描写を厭わないためにも時には敢えて専門用語を交えつつ出来る限り分かりやすい誌面を心掛け、マスメディアや従来のワイン専門雑誌と一線を画しつつ試行錯誤の中媒体として確立して行った事は、「中の人」という自身の立場を差っ引いても素直に評価したい。

奇しくも、キリ番前の29号(2025年12月号)から、連載のコラム執筆陣が入れ替わった。
そのメンバーの一員には、偶然にもあの『dancyu』(2004年12月号)で、日本ワインのテイスティング企画でテイスターとして加わった“大魔王”こと内藤邦夫氏(株式会社内藤プランニング 代表取締役社長)が『流通現場から日本ワイン』と云うお題目でコラムを執筆されておられる。

長きに渡って流通の現場で日本ワインを扱い関わって来た氏の目線から、黎明期からメディアに取り上げられた当時を振り返っておられるが、日本のワインが置かれた現状を改めて知ることになり、「目から鱗(うろこ)が落ちる」衝撃を味わった当時の心情を恥を忍んで率直に語っておられたのは、かく言う私もそうであった当時の心境と通じるものがあると改めて感じた次第…
正に当時を知る人ならではの貴重な証言として、コラムを興味深く読ませて頂いた。

ただ、振り返って観ると業界人と云う立場を考えると小生にとってその記事の内容は一つの良き思い出として大事にして行きたい一方で、思い出とは極めて個人的なものであるのも事実。
先に取り上げた土屋氏がX(旧Twitter)にて
「思い出話しかできない人間にはなりたくない。」
と語っている様に、その将来の在り方と向き合う事が、業界に身を置いている立場である以上(自身も含め)求められていると日々強く感じる。

「中の人」となった2009年当時はおよそ180場ほどであったワイナリーも、数字の上では今や500場を超えた現状ではあるが依然課題は山積しているのも事実。
例えば、良質のぶどう原料確保やワイナリーの持続的な経営維持、舶来物と比して割高とされる(実際は単純な価格の高低だけでは議論出来ない事は敢えて記しておきたい)ワインそのものの価格等が具体的な課題として挙げられている*4

さらには、健康面などからの理由による世界的なアルコール離れという消費の下振れが現実として伸し掛かる…

www.businessinsider.jp

もはや「お花畑」では無い状況下で、如何に生存競争の中生き長らえて行くかが個々の事業者に求められており、日本のワインも例外では無い。

正念場を迎える今、『日本ワイン紀行』という媒体が担う役割はより一層重いものとなるあろう。
だからこそ、日本の現状を踏まえて今に即した有り様を考えて行くための羅針盤として、引き続き今後も精力的な取材を基に誌面を築き上げて貰いたいと切に願う。

今後の貴誌の発展を陰ながら応援しております。

*1:日本において国税庁がぶどう酒における地理的表示(GI)を制定したのは、遅れること2013年の山梨まで待たねばならなかった。その後、北海道(2018年指定)、山形と長野と大阪 (2021年指定)が産地として追加に至っている。

*2:趣味的な視点で内容を構築していた他の鉄道雑誌と異なり、「鉄道の将来を考える専門情報誌」を標榜し、交通政策そのものを含めた社会事情、ならびに経済的・政治的な視点から鉄道を客観的に見る記事で構成されていたユニークな位置付けの鉄道情報誌としてつとに知られていた。創刊時の編集長は竹島紀元。著名な記事執筆者の一人が、「レイルウェイ・ライター」と称して鉄道に関するルポルタージュ・時事評論等を数多く発表した種村直樹

*3:2025年4月21日発売の6月号(通巻704号)を持って休刊となった。

*4:「具体的な課題」の実情を詳に記すとなると全く別の記事を起こさなければならないが、ここでは過去メディアが取り上げた既存の記事をまずは参考にして頂きたい。 NOMURA フード&アグリビジネス・レビュー Vol.22 『「日本ワイン」の持続成長と発展に向けて』(2025年3月13日) https://www.nomuraholdings.com/jp/sustainability/sustainable/services/fabc/report/report20250313103020/main/0/link/File07098482.pdf
帝国データーバンク 『ワイン製造業者の経営実態調査』(2017年9月1日) https://www.tdb.co.jp/report/industry/3xpf0h2z7dl/
揺らぐ日本ワインの未来 海外で高評価も国産ブドウ確保に不透明感 (日本経済新聞、2025年11月9日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD280ZY0Y5A021C2000000/

かたしもワイン祭り2025 ご来場の皆様へ

来たる11月16日(日)、かたしもワイン祭り2025が開催されます。

かたしもワイン祭り2025チラシ

今回も、ご来場の皆様への案内を以下に記していきます。
事前に読んで頂ければ、当日戸惑うことなく来場もできるかと…。イベント前の「ご案内投稿シリーズ(笑)」も、お約束?ということでお役に立てればと思います。


【はじめに】
今年のワイン祭りでは、昨年と同様のグラスです。
下記の写真を参照ください。
受付がございます、本社会場ないしは旧直売所会場の受付にて必ずグラスを受け取ってから各会場に向かって下さい。お手数ですが、よろしくお願いします。

ワイングラスはこちら(内容量は100ml)


交通機関について】
カタシモワイナリーさんへは、大阪上本町駅方面から近鉄大阪線に乗車して、安堂駅・ないしは堅下駅へ向かって下さい。

近鉄路線図より(安堂駅もしくは堅下駅から)

後述する会場の場所が街中に点在しておりますので、お目当ての場所にたどり着くには、どちらかの駅を選んでいくとたどり着きやすくなります。
予め、鉄道検索アプリやYahoo!乗換案内(https://transit.yahoo.co.jp)で、検索して行くのをおすすめします。
あと、近畿日本鉄道さんのWebサイトへのリンクも貼っておきます。
www.kintetsu.co.jp


【駅から会場へのアプローチ】
ワイン祭り会場は、カタシモワイナリーさんとその周辺の畑や園地などを、街中散策しながら愉しんでもらう志向になっております。従って、会場が街中に点在しています。
参加される皆様におきましては、散策する際に他のお客様や地域の方の迷惑にならないようご協力をお願いいたします。

ワイン祭り会場周辺マップ(Googleマップより引用し作製)

赤い矢印の線が、各最寄り駅からの道筋です。


(1:安堂駅からのアプローチ)
こちらは、本社会場や古民家東西会場・新設された“お地蔵様会場”から近いです。
まずは、安堂駅から東口へ降りて頂きます。

安堂駅東口への案内
安堂駅東口の風景

駅東口から山側に向かって歩きますと、ローソン100が建っている角に出ます。この角を、左手にローソン見ながら左に曲がります(下写真参照)。

ローソン100の角を左に曲がります。

しばらく歩きますと、太平寺の交差点に辿り着きます。
国道170号線は、交通量が多いのでくれぐれもご注意下さい。

太平寺交差点の写真

ここからは、本社会場や古民家東西会場・昨年より新設されたお地蔵様会場各会場への結節点です。当日マップを見ながら、お好きな会場へ向かって頂ければと。
小生がスタンバイしております“お地蔵様会場”は、この交差点から山側に向かうと鎮座しています「石神社(いわじんじゃ)」の近くにございます。
こちらでは、当方の『M・A・I・D・O(ま・い・ど)』ワインと共に、をかしわらマルシェの皆様とお待ちしております。

立派なクスノキが目印で、柏原市まちめぐりモデルコースのひとつに重要ポイントとしても登場しますこちらの神社界隈は、ちょっとした歴史を感じる佇まいを味わえます。
街中散策の、一服がてらに寄ってみてはいかがでしょうか。

石神社とその周辺


(2:堅下駅からのアプローチ)
一方こちらは、旧直売所会場や中辻・芹田・丘の上などの畑会場から近いです。
まずは、堅下駅の北側の踏切を横切る道路に出て頂きます。

堅下駅北側の風景。この道を山側へ向かいます。

道は少々狭いので、歩く際には気をつけて。
それから道なりに歩きますと、旧国道170号線との交差点・大県交差点に出て参ります。こちらを向かって右に曲がります(南向きに進む)。

大県交差点。旧170号を南へ向かいます。

やがて、スーパーの万代が佇む角に辿り着きます。
ここの交差点を山側に向かいますと、旧直売所の会場はすぐそこです。
間近にワイン樽を描いた側壁が目に入りますので、分かりやすいかと思います。

スーパー万代の近くに旧直売所会場がございます。

ここから、山手の“ぶどうの並木道”へ足進めますと、畑会場(中辻と芹田・丘の上)に向かうことが出来ますし、マップ見ながら新直売所方面に向かいますと本社や古民家・お地蔵様の会場にも向かうことが出来ます。


【その他】
お茶やお水は、事前に買っておくことをおすすめします。
スーパーやコンビニなどが周辺にございますが、地元の方々やワイン祭り以外の一般の方々がご利用されますので、気持ちよくお買い物できるように気をつけて頂ければ幸いです。

それと、これがないと満喫できない当日マップ‼️
カタシモワイナリーさんの、ワイン祭りのWebサイトにアクセスしてダウンロードしてくださいね。
kashiwara-wine.com


マナーを守って、楽しくワイン祭りを満喫しましょう〜🎵
当方、おおさかぶどう・ワインの郷はお地蔵様会場にて下記のワインでお待ちしております❗️

それでは、当日は何卒よろしくお願い申し上げます。

「あなたのツーリズム」はあなたの中にある… 〜先駆者と共に未来に見据えるもの〜

むか〜し、昔…

まだ私が日本ワインを追っかけて“ひとりワインツーリズム”をやっていた(笑)ブロガー時代、甲府に今でもお店開いてはる“Four Hearts Cafe”さんと言う所があり、店主殿が

自分自身の故郷を見つめ直そうという草の根活動

の一環で、自分のお店にて“ワインフェス”を始めたのが、かれこれ20年近く前。
okkuu-daaman.hatenablog.jp

そこへ私は誘蛾灯の如く吸い込まれ、山梨の造り手さまと知己を得るキッカケとなった。
その動きはやがて「ワインツーリズムやまなし」となって結実し、“おのぼりさん”でなく能動的に旅してワインと地域を取り囲む風土・文化、その地域が成り立ってきた歴史を肌で感じて貰う動きの先駆者として、地道なムーブメントとなって定着した。
www.yamanashiwine.com

www.instagram.com

時は流れ、大木さんはお店を清澄白河にも構え、小生は“中の人”となった。

あの時と取り巻く環境は変わったが、今でも「次への道」を模索し静かなる情熱を携える大木さんの姿はそこにもあった。
単なるやまなしワインが飲める店ではなく、地に足つけて、産地・山梨の有り様を泥臭くも血肉となるように浸透させていこうと、「入口となる場」を敢えてリトルトーキョーの一角にこしらえているのである。

昨今の日本ワイン“ブーム”は、いろいろな意味でメディア等を賑わしているかと思わせ、その隆盛ぶりが話題になるが、過去の小生のこのブログ(そもそもが「これ」がそのアーカイブである❗️・笑)でも記しているかのように、果たして“ムーブメント”になっているかと云うと…怪しい。

そもそも、“ワインツーリズム”という言葉自体世に出ていなかった当時、伝わりにくいものが多かったことからこそ、自ら産地に足を運びその土地を取り巻く風土や文化、地域が成り立ってきた歴史、そして実際の生活基盤が何たるかを肌で感じない限り分からないので、実際に赴き生産者の所へと足を運んで来た。
当時は、日本ワインがメディアに注目され始めた頃であったが、私は大阪で「産地」というものを身近に感じてきた前提が大きかったことから、そこのギャップが少なからずともあり、
「これは、実際に出向かねば」
と思った次第(まだ牧歌的な頃で、押しかける人やメディアも少なかったことから、アポもキチンと取ることで時間を割いて頂いて、親切に対応してくださった方が大多数だったのも幸いだった…)
外から流れてくる情報(いや、情報ともいえない“まことしやかな風説”といっても差し支えない)だけでは、頭でっかちの知識でしかない。

ワインのお話・知識というと「資格」がすぐに思い浮かばれるかもしれないが、あくまで大きなフレームワークを体系的に整理していったのであって、実際に足運ぶと「資格」の勉強だけでは見えないものがそこにあるのだ。

私も、「古くて新しいぶどう産地・大阪」の“中の人”であるが、意外に知られていない産地で、府外の方はもとより意外にも同じ府内でも知られていないことで時折面食らうのである(笑)。
古くは、安土桃山時代に遡り、明治期から産地として名を馳せ最盛期(大正から昭和初期にかけて)には山梨をも凌ぐ日本有数のぶどう産地であったことは意外に知られていない。その辺りの簡単なお話は、小生が自らの事業のWebサイト
osaka-grapeandwine.com
にまとめているので参照していただきたい。

大分話が逸れたが、なぜこうしたことを綴ったかというと、こうした事情はなかなか語られることはなく、まるで水が当たり前のように飲めるように、その裏で連綿とつづくものが生活の中で自然と根付き、人々の目に見えないところで維持継続が図られているからである。
昔はそうしたことが意外と身近に感じられた(生活インフラでも土木工事の風景は昔よく見かけたが、土木事業の削減で今や目につくことは少ない…)が、今は「造るところ・消費されるところ」の間の分断が激しくなったからだ。

これは「昨今のお米事情」が象徴となっている農業に限ったお話だけではない、工業・サービスの分野でもそうである。農家人口の減少や身近にあった農産地が遠くなったりしたことで農産地の現場に触れる機会も減った。工場は昔は小学校の工場見学などがあり、好奇心を深めるキッカケとなったりしたが、コンプライアンスや機密などの事情もあって「直に見せられる機会」が減っている印象がある。

おまけに、交通網・情報網の発達が皮肉にも拍車をかけている。
交通網は、生産地と消費地をつなぐ血管のようなものであったが、田舎から都市への人口流出の一方通行路となって、人口密度の歪みと化した。
情報網は、いろいろな伝聞が百花繚乱となって洪水のように溢れ、有用な情報が埋もれていく。

そうした動きをいい意味で逆転させ「違う流れ」を拵えることで、一方に溜まるだけの歪みを解消するには、自らが能動的に動いて何がしかの形で「肌に触れる」ことが何よりも大事になってきた今日この頃である。

もう本当に久方ぶりの再会…
持っているものは互いに違えども、あの時の想いはそのままに。
大木さんは、そうして先を見据えて行動してきた。

私も、父親の一言をキッカケに、学生時代ワインに触れ海外のものにカブれた(苦笑)頭を冷やすかのように
「大阪でもワイン造ってんねんで〜」
と突っ込まれ、そして当時両親と共に買い付けに行ったあの日(30年以上前❗️)のことを忘れられない…
そして、いつしか自身も何故ぶどう・ワインを造る側となったのか?
自身にもあった強烈な原体験(大阪をぶどう産地として認識し、時を経て山梨にて産地が醸成するものを感じ取ったこと)が潜在意識となって引き金となり、いつしか自身もぶどう・ワインを造る側となって「古くて新しいぶどう産地・大阪」のことを形として伝え、模索して行こうとしたからだと改めて再確認できた。
当方のワインに繊細ながらも飲みやすい薄甘口のワインがあるのは、亡き親父の好みだったワインがこのスタイルで、そこへのオマージュがあるからなのだ。)

有り難くも嬉しい夜のひと時でした。
この日は11月2日。山梨新酒祭りの前日で、前乗りして来られたくらむぼんワインの野沢たかひこさまと保坂さまにバッタリ(笑)。
偶然が醸し出すものがたりは面白い。前日の1日も某所で熱気あふれる催しに赴き、その時感じた熱量冷めやらぬ翌日だっただけに、尚更であった。

大木さま、本当にありがとうございました。
お互い地道にですが、ぼちぼちやっていきましょう

FourHeartsFlow様のお店です。改めてありがとうございました。

シャインの栄華の夢…

本日(10月19日)のYahoo!ニュース(経済)にも取り上げられたこの記事は、定番ぶどうのデラウェアすら追い越した事実を綴った当方の投稿から2年ほど経過した今日の時点で、まさかの“主役交代”が起ころうとは…と、正直驚愕した。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6556026news.yahoo.co.jp

朝日新聞の元記事にもある通り、栽培面積の数値も出ていたので、恐らくソースは農林水産省の統計資料として公開されている、

『特産果樹生産動態等調査』における「果樹品種別生産動向調査」の生食用ぶどうの栽培面積累年統計

だと確信し、早速調べてみた。

小生が記したデラウェアに関するお話の投稿の時点では、2020年(令和2年)までの数値が公開されていたが、最新の統計では2022年(令和4年)までの数値が公開されている。
そこで、'21・'22年のデーターも加えてグラフを改訂したのがこちら↓

ぶどう[生食用]の栽培面積累年統計(2001年から2022年まで・'25年10月19日現在最新版)、農林水産省:『特産果樹生産動態等調査』における「果樹品種別生産動向調査」より作成

2022年の数値も併せて記したが、見やすいようにこちらにも箇条書きしてみた。

  • 巨峰:2327.4
  • シャインマスカット:2672.9
  • デラウェア:1533.1
  • 甲州:511.2
  • (参考)マスカット・ベーリーA:313.8 [単位はいずれもha]

見事に、シャインがトップの座に躍り出ている。元記事も含め、数値はこの統計データーであることが改めて裏付けも取れた。

これほど短期に入れ替わるとは思いも寄らなかったが、シャインの栄華に関してはその華々しさの裏返しかのように、さまざまな課題が大きな影となって揺さぶりをかけている。

個々の課題の詳細については割愛するが、

  1. 品種登録制度の抜け穴による海外流出
  2. 未だ原因不明の開花異常現象
  3. 生産過剰に伴う値段の下落

といった課題が突きつけられている。1に関する話題では、最近農林水産省が許諾を得た企業による海外生産を認める計画を案として出しており、紛糾していることは記憶に新しい(讀賣新聞オンライン記事参照)。また、3に関しては、kg当たりの単価が物によっては2,000円台から1,000円台後半に引っかかるところまで下がっていることが認められている(朝日新聞のオンライン別記事参照)。

そうした玉石混淆なシャインの在り方に不安要素として2の開花異常の現象(農林水産省によるアンケート結果参照)も加わり、状況は予断を許さない。

過去に、No.1の地位を築いてきた古くはデラウェア、そして巨峰の存在は伊達ではない。それと同時に、さまざまな新品種の育種が待ち受けている。

現在、気候変動により着色が芳しくない黒ぶどうや赤系のぶどうは新品種やアブサップのような着色を促進させる薬剤などでなんとか乗り越えようとしているが、緑系のぶどうはシャイン一本釣りと心許ない。

ブームによる光と影はどの分野でもありがちではあるが、生食用のぶどうの分野でも例外ではなかった…
解決に向けては、どうしても一挙解決のようなカンフル剤的なものが待望されるが、ことブームの反動が生じている状況では求めがちなのが世の常‥。
しかし、本来なら、その売り方も含めこれからは慎重でありつつも、地に足ついた沈着冷静な対応が求められるのではと考えている。
そして、応用の分野は違えども根は同じぶどうである、醸造用のぶどうに関しても需要と供給のバランス面なども踏まえ、シャインの教訓を元に注視していきたい。