(書評)『日本ワインを造る人々 - 北海道のワイン』を読んで

北海道のワイン
ようやく読み切る事が出来ました! 2006年8月17日の記事で取り上げました山本博氏の力作、読後の達成感あふれる一冊です。 
(追記 - 2006-10-25)
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日本ワインに関しては最近雑誌・ムック等でよく取り上げられていますが、こと書籍となると非常に限られてきます。山本博氏は「日本ワインを愛する会」の役員で理事を務められてますが、過去に著書として『日本のワイン 本格的ワイン造りに挑んだ全国のワイナリー早川書房刊)』を、監修として『翔べ 日本ワイン - 現状と展望』『日本ワイン列島 - 別冊[料理王国]』『日本ワイナリーガイド』等も手掛けており、日本ワインに関する書籍を出されていることでは第一人者といえるでしょう。
その最初期(2003年)に出された『日本のワイン』、総論的に全国のワイナリーを紹介している良書ですが、総論的なことからいかんせん細かい所までは突っ込んだ記述ではないことやワイナリー関係者の間では評価が分れるといった二点が、個人的にあと一歩の出来と考えております。
しかし、本作は日本ワインの中でも最近著しい進化を遂げている北海道のワインに焦点を当て、綿密な取材の下非常に精緻に描かれており、北海道のワインの現状を俯瞰するだけでなくワイナリーのあるべき姿や今後の行方も考察した記述(単なる「紹介本」には留まらない一方で、「夢とロマン」にも触れた叙情的な所も持ち合わせながらも流されすぎずといった所。)には本当に好感を持ちました。
紹介されているワイナリーを挙げますと、

の10箇所、その他2ワイナリーも書かれてます。各ワイナリーに関してはそれも、歴史から現状・ラインナップ・課題と展望と細かくかつそれぞれの地域の事情も踏まえた上で記載されており、その取材はさぞかし大変であったろうと推測されます。文体も明瞭かつ感銘を受けるもので、読んでいて本当にのめり込んでしまいました。
ウーン、北海道に長期滞在してワイナリー巡りがしたくなる〜♪(笑)
(個人的な話しですが、かれこれ8年から5年ぐらい前は毎年会社主催のスキー旅行で北海道へスキーに行っていたのですが、帰りに新千歳空港のお土産屋で「十勝ワイン」は必ず一本買って帰ってました。赤ワインの『清見』はよーく憶えてます。)
山本博氏自身による後書きには、全国各地方のをこれからシリーズで出版される予定と書かれてます。
「日本ワインの教科書」として、全巻が揃う事が待望されますが、なにせこれだけの作品を完成させるには現地取材が欠かせません。本当に大変だとは思いますが、何卒よろしくお願いしますと祈願すると共にその精神に対し陰ながら応援を送りたいです。
書評の締めとして、冒頭にあった銘文を引用させてもらいます。本当にこの文章には心打たれました。
『夢の無いところに何も生まれない 不屈の精神のないところ夢は幻想でしかない』