行って来ましたワインフェス!

甲府駅前の「Four Hearts Cafe」さんにて定期的に開催されているおなじみのイベント、それがワインツーリズム山梨さんが主催されている「ワインフェス」。今回も大盛況でした。
主催する側も回数を重ねて運営も手馴れたもの。しかもケッタイな敷居も無く、初めての人からワイン慣れしてる人もごっちゃになって分け隔てなく親しめる催しとなって板についております。
次回は、気合入った企画(!)やるみたいですよ。(いかにもな感じでなく、さり気にチラッと宣伝しただけに期待そそられるよなぁ、、、。)


この日は、山梨の老舗ワイナリー三社(勝沼醸造さん・中央葡萄酒さん・ルミエールさん。五十音順)が出展されました。美味しい料理にワイン、有り難いイベントです! まずは、料理の写真だけでもアップ。(笑)
○関連記事
『ワインフェス2007・春の足音』、行って参りました。
(小生2007年2月25日記事)
ワインフェス2006春、行って参りました。
(小生2006年5月20日記事)
ズボラして書いてないけど(苦笑)、昨年の12月にも行ってます。
それでは、試飲した順に振り返ってみましょう。
ルミエール2006年5月20日訪問
○登場したワイン
甲州シュール・リー(2007)』
『イストワール(2005)』
『光甲州(2005)』
今やワイナリーの顔となった醸造・栽培責任者の小山田幸紀氏とは久々の顔合わせです。(上記訪問以外にも何度か会っています。)かつての肩肘張った感じから、最近は、手近に味わえてなおかつ中身もよく出来ている普段着のスタイルのワインもラインナップに加わり親しみやすさも併せ持つようになりました。
その筆頭が『甲州シュール・リー(2007)』と『イストワール(2005)』。前者は爽快な酸味が際立ち、過度なシュール・リーっぽさ*1も殆ど感じずクリーンな感じの甲州ワインです。そして、後者はやたらと重くなく可憐な雰囲気のカベルネ・フランのキャラクターを前面に押し出しつつ、ブラック・クイーンの酸味が脇を固める役目を果たしてます。*2 それぞれお値段は、前者が1,260円・後者が2,205円(ワイナリー販売価格・税込)とお買い得です。
『光甲州(2005)』は以前の物に比べ円やかな味わいに。古樽発酵でそのまま熟成したとのことで、より柔らかい感触で果実味を生かすように生まれ変わってます。
で、この日は梅雨の中休みでカラッと晴れ渡っていたことから期待していたのが、人気商品で泡物の『ルミエール・ペティアン(2007)(写真左端)』。案の定、特別枠で登場。(笑)やっぱり、暑い日には泡物が似合います。当たりは柔らかくも爽快な面持ちで、丸々1本ぐびぐびっと頂きたくなりました。(笑)
中央葡萄酒2006年3月20日訪問
○登場したワイン
『グレイス甲州(2007)』
『キュベ三澤 甲州 プライベートリザーブ(2006)』
『グレイス カベルネ・ソーヴィニョン(2006)』
グレイスさんは最近紹介した書籍にも登場している三澤彩奈氏(2006年4月21日のイベントにも登場)と営業の船橋清一氏が案内役を務めてました。定番『グレイス甲州(2007)』もよろしいですが、『キュベ三澤 甲州 プライベートリザーブ(2006)』が好印象でした。小樽仕込みで発酵することで複雑味を醸し出し、鳥居平地区産の甲州特有の酸味*3が合わさってグレイスさんの甲州ワインのトップグレードにふさわしい風格が出ています。
一方、『グレイス カベルネ・ソーヴィニョン(2006)』は未発売品ですが、敢えて今回のイベントのために用意したワイン。最近開墾された明野の自社園場産に勝沼産のをアッサンブラージュ。まだ明野の農場が真価を発揮するまでには至っていないと控えめなコメント(三澤彩奈氏談)ですが、今後どうなるか? じっくりと見守って行きたいと思います。
勝沼醸造2006年7月2日訪問
○登場したワイン
『アルガブランカ クラレーザ ディスティンタメンテ(2007)』
『アルガーノ ゴッタシロシオ(2007)』
『アルガブランカ ブリリャンテ(2004)』
勝醸さんのコーナーでは湘南地区にも営業で時折出没される弾丸セールストークが売りの山本政夫氏と、物静かで渋い風貌の醸造担当の築城久幸氏という全く正反対のキャラ(笑)のお二人が陣取っていました。かの有名なJALワインの2007年産を始め、オール甲州種ワインで一本攻め。「甲州種ワイン造りに特化する」とWebページトップで謳うだけあります。
今回魅かれたのが『アルガーノ ゴッタシロシオ(2007)』。以前頂いた2005年物はありふれた薄甘口(といっても、お土産ワインのような甘ったるいのでは無く上品な甘口。)だったのが、コクのある酸味が加わって柱が備わったようになり、築城氏に「なんか酸が加わってコクも出てますよ。」と聴いた所、やはり酸味をバランスを崩さない所まで強めにしたそうで、そうすることで単なる薄甘口には無い骨格を引き出せたとのこと。何となく純米酒のような趣となったので個人的にはこれが一番面白かったです。それと、『アルガブランカ ブリリャンテ(2004)』。同じ泡物の『ルミエール・ペティアン』とは異なり、輪郭のある味わいでカッチリした造りの瓶内二次発酵の甲州スパークリングです。こちらも晴天のこの日に相応しいワインで、有り難く頂戴出来たので嬉しかったですね。


今回は、今までのフェスに登場しなかった三社が加わり、ワインツーリズム山梨さんが根気よく続けている活動の輪が拡がったと感じております。最初の方に書いたように、秋口の企画がどのようになるのか楽しみです。毎度お世話になっている、笹本貴之氏(ワインツーリズム山梨主宰)とFour Hearts Cafeの大木貴之様には、この場を借りて改めて御礼申し上げます。有り難うございました。

*1:例えて言うなら、昆布だしのようなアミノ酸の旨味です。

*2:カベルネ・フランとブラック・クイーンとメルロをアッサンブラージュした重厚な2004年物も人気でしたが、2005年物は軽快な趣に仕立てています。

*3:小生いつも思うのが、何とも得も言われぬ独特の感覚で複雑な面持ちです。船橋氏によると『温州みかん』の酸味に近いとか。なるほど、、、。