屋久島登山記(3日目)

風格あふれる縄文杉

静かだった小屋が轟音につつまれ、思わず目が覚めてしまったのが朝(というか夜中やん)の2時。ナンやと思うたら、豪雨と強風が小屋をたたいているのでした。いやー、鹿之沢に行かんと新高塚にして正解やったと心の底からホッとしつつも、シュラフの中でこの雨の中を歩いて行くかと考えたら気分はブルーです。
さて、雨対策も整え身支度が済んだボクは、停滞で小屋に留まる仙台のオジサンとお別れして、縄文杉方面に下る事に。林の中でヨカッタと思いますが、外は相変わらず激しい雨風です。道はしっかりしてはいますが、ハッキリ言って川の如く水が流れてました。(泣)
旧高塚小屋を早々に過ぎ、しばらく行った所に休憩所のあずま屋があります。そこで休憩する事に。しばし落ち着いた後、近くにある縄文杉をカメラを携えて見に行く事に。そうすると、下から人が登ってくるのが見えてきます。そして、縄文杉とご対面。周りの普通の屋久杉とは違う存在感にこれまた圧倒されます。周囲は根の保護のためテラスが設置されており、撮影場所も決められてあるという念の入れよう。さすが世界遺産というだけあって、手の入れようは尋常じゃありません。
縄文杉から下はいわゆる「大株歩道」という観光歩道ですが、ハッキリ言って「登山道」です。そんな道を雨の中、ガイドに連れられ、若者や家族連れ、オッチャンオバチャンが結構来ているのには驚き。(この雨の中ですよ!) しかも、ボクの重装備の山装束に比べ、中には軽装で来る人も。なんか違和感を感じるのはボクだけでしょうか、、、? そうか、ここは「観光地」ナンやと仕方なく納得する少々悲しい自分なのでした。(涙)
そうこうして、夫婦杉と大王杉、ウイルソン株と名所を過ぎ、歩道の入口に着いたのが11時半頃。写真写したり、慎重に足を運んで下ったせいかコースタイムより遅めです。それからは旧森林軌道のトロッコ線路の上をひたすら歩いて白谷雲水峡への分岐、楠川分れまでトボトボ雨の中歩きました。
楠川分れからは、トロッコ線路歩道から脇にそれて登山道に入ります。静かな山道でようやくお天気が回復の兆しを見せるのでした。次第に森の幽玄な雰囲気に包まれ、かつて大峰の奥駆道の、大普賢岳釈迦ヶ岳等の奥深い森にたたずんでいた時の記憶が蘇るのでした。そして、一時間弱で辻峠に到着。後は白谷山荘(新高塚と同様、無人の避難小屋)に下るのみで、ようやくここで安堵の気分に浸れました。ここから山荘までが、いわゆる「もののけ姫の森」という例の宮崎駿氏の映画のモデルになった所を下って行きます。もう15時近くになってましたが、ときおりもののけ姫の森を見に来る若者のグループがちらほらとやって来るのですが、やっぱり足下はスニーカー。なんかおかしいでーと、また違和感を抱きつつようやく小屋に到着したのでした。
今日も同宿の人が一名、小屋にやって来ました。きっちりとした登山装束に身を固めた若者一人でした。明日は縄文杉越えて新高塚小屋に行くそうです。
(行程)
新高塚小屋(7:40)→高塚小屋(8:40)→縄文杉上休憩所(7:45〜8:32)→夫婦&大王杉(10:00〜10)→ウイルソン株(10:50〜11:00)→大株歩道入口(11:25〜50)→楠川分れ(12:40〜13:00)→辻峠(13:50〜14:00)→白谷山荘(14:30)