埋もれさせて置くのが勿体無い日本ワイン!〜 我が故郷の自慢の逸品

合名山 堅下甲州葡萄(2008)
カタシモワイナリー・大阪)
過去でも取り上げたように、樽やシュール・リーといった葡萄のニュアンスを変えかねない技(合う葡萄・合わない葡萄とありますが、甲州種には合わないと云うのが小生の持論。)に頼らず甲州ブドウの美点を出来るだけあるがままに引き出すことを追求してきた本格辛口ワインとして2005年よりリリースされ、2006年産2007年産と試行錯誤を繰り返し世に問うて来ました。そして、2008年ミレジムよりラベルを一新。これまでの集大成ということで登場です。
シャープな酸味を前面に出した2005年産・バランスを重視した2006年産・収穫を遅くし重厚さをどれだけ出せるかに挑戦した2007年産とこれまでのトライアルを重ね、華が開いてきたと感じました。
2008年の新酒は、差別化を図り敢えてキレのある酸とスッキリした味わいとし新酒らしいフレッシュ感を前面に出していましたが、やはり本命はこちら。透き通った黄金色の色調で、堅下甲州ブドウ独特の旨味を十二分に引き出した上で程良い厚みとコク、心地良い余韻として奇麗な酸と甲州種特有の後に残る苦味も抑えつつもちょっとしたアクセントにして包み隠さず残しています。大人しく晩柑系の柑橘の薫りに続きうっすらとミントの香りも漂ってます。(紛れもなく酒石も出ている。旨いワインの証左。)
おお、故郷の味もここまで進化してきたかぁ〜と感慨にふけってしまいます。
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(小生2008年4月30日記事・カタシモワイナリーに関する過去記事へのリンクも張っています。)