紅葉が山肌に映える赤岩尾根から北ア・後立山連峰鹿島槍ヶ岳登山。

文字通り赤岩の砕岩(ザク)が尾根の上部に見える赤岩尾根。名峰、鹿島槍ヶ岳(何故か、「鹿島」というこの冠がエエ響きです。)への最短ルートで、黒戸尾根とは一味も二味も異なる趣の急峻な登りです。前夜、会の山行メンバーを集合場所にて拾いそれから高速で長野道豊科ICへ向かいました。それから途中の道の駅で仮眠。13日朝に登山口の大谷原(おおたんばら)へ車を付けました。

登山口からは取り付きの西俣出合まで林道歩き。途中、曇っていた空の合間に後立山の峰々が見え隠れします。出合には堰堤がありその近くの対岸に登山道が付いてます。工事中なので仮の橋を渡って登山道に入りますが、とにかく急坂。木の根っこや岩がむき出しですが、整備された道のお陰で足のやり場に困る事はありません。(と、いっても雨の時には登るのは憚られますが、、、。)ただ、時々出てくる丸太の梯子は、踏み代が小さく靴底が滑るのに注意しなくてはなりません。
この急登を過ぎると、高千穂平で一息つけます。ここで次第に木の丈が低くなり、展望が楽しめます。爺ヶ岳、そして目指す鹿島槍が見えてその威容には圧倒されてしまいます。
高千穂平からは傾斜は緩くなるのですが、それでも登りは続きます。例の赤岩はこのあたりに多く露岩して、所々鎖が張ってあったりトラバースしたりと気をつけないといけません。そうこうしている内に主稜線が近づいて来ます。そして、後立山の縦走路に合流してからすぐにテント場のある冷池山荘に程なく到着です。
水を補給し、テント場の手続きを済ませたら、ちょっと登ってテントを張ります。それから休憩してすぐに鹿島槍へ向かいます。最初は布引岳への登りが長く続きます。赤岩尾根と異なり、岩屑に覆われたなだらかな稜線です。休憩していても、急峻な尾根を登ってきて間も無いだけに、結構大変でシンドイです。でも、三連休の山登りで身体が慣れたせいもあって足の運びはしっかりしてます。布引を越えると、鹿島槍山頂が目の前に見えますが大きいガ体の山なので近づいているようで中々手が届きません。でも、山頂の標柱が目に見えた時は嬉しかった。そして、双耳峰の南峰に到着です。ここからは北峰は勿論、剣・立山連峰や白馬・五龍後立山連峰裏銀座北アルプスの峰々が見渡せます。しばし展望に見とれますが、風が冷たく晩秋を感じさせます。すぐに吊尾根から北峰に向い往復です。
所々痩せ尾根と岩場が覗く北峰をすぐに登り返し、それからはひたすら往路をテント場に向かいます。目の前の爺ヶ岳をしかと見ながら足取りも軽く下ります。後は、テント場で安らぎの時間を過ごせます。
山での睡眠時間は長い方ですが、この晩はとても長く時間を取る事が出来、良く身体を休めました。翌朝はテント場を早めに撤収。車での帰路を余裕を持つことがおかげ樣で出来ました。
<山情報いろいろ>

  • 尾根上部の赤岩は濡れると滑りやすいです。ここ以外も足場はしっかりしているものの急坂なので雨天時には気をつけなくてはなりません。(登りのキツさは裏銀座に登るブナ立尾根と同じぐらい。足場の悪さはこちらの方が上かな。)
  • 鹿島槍吊尾根は狭い岩場と痩せ尾根です。注意。
  • 大谷原の駐車場は十数台強と狭いです。トイレは完備。登山道ポストは黄色いのがあります。
  • 冷池のテント場は小屋から離れてます。上にあがり5分ぐらい。(¥500-/1人。テントの数では無く人数制。)
  • 冷池のトイレは小屋のを利用。水場はポンプアップで1Lあたり¥150-です。
  • お風呂は大町温泉郷の「薬師の湯」を利用しました。朝早くから空いているので助かります。

○行程
<13日>
大谷原(6:40発)→西俣出合(7:30〜40)→休憩(8:20〜30)→高千穂平(9:05〜15)→冷池山荘(10:20〜35)→テント場(11:10)→休憩(12:05〜15)→鹿島槍ヶ岳南峰(12:40〜12:45)→鹿島槍ヶ岳北峰(13:10〜15)→冷池山荘(15:00・テント泊)
<14日>
冷池山荘テント場(6:20)→高千穂平(7:10〜20)→西俣出合(8:10〜20)→大谷原(9:10着)