早々と幕引きを図ろうとする教育委員会の対応がかえって裏目に

今朝のYahoo!ニュースでも取り上げられていたのですが、Webでの記事を読む限りでは、どうもこの校長さんに何もかも押し付けてさっさと手打ちしようとしている県の教育委員会の「臭いものには蓋」的なやり方に疑問を感じえません。
「校長先生を戻して」「服装で合否、正しい」保護者や生徒が嘆願書
Yahoo!ニュースの元記事となった「MSN産経ニュース」より。2008年11月15日付記事)

 元教育再生会議委員で神奈川県教委の教育委員を務める渡辺美樹ワタミ社長は「神田高は3、4年前は非常に荒れており、入った生徒が半分以上辞めてしまう大問題の学校だった。(渕野前校長は)県教委が送り込んだ校長で非常にがんばってくれ、みるみるうちにいい学校にしてくれた」と高く評価する。
 県教委の説明では、渕野前校長は「ピアスや金髪、丈がおかしいスカートなど、『この高校に入りたくない』という態度を前面に出しているような生徒をなぜ入れなければならないのか」と話したという。
 それでも県教委が更迭したことについて渡辺氏は「校長職を解いただけで、更迭の認識はない。むしろ処分してはだめだと主張した。選考基準に服装や態度を盛り込んでいなかったのは単なるミスであり県教委側にも責任はある。校長だけが責められるべきではない」と話す。
(上記記事より引用)

記事を一通り見て、ワタミの社長さんの言うこと(「校長職を〜責められるべきではない」の内容)がもっともかなと思います。確かに基準に盛り込まれてなかったのは逸脱した行為かもしれなかったけれど、身なりだけで判断していけない一方で試験問題だけでは図れない人としての振る舞いを評価することは別段悪いことでは無いはず。(企業の面接でも然り)昔は内申書のことが槍玉にあげられてましたが、問題があったとは云えあれが無くなった分如何にすれば良いかかなり現場では苦悩があったことでしょう。
それよりも、予算が不足している地方自治体で、いかに知恵を絞って荒廃する教育現場に対策を講じるタスクを立ち上げて、その責任者としてこの校長さんを中心に対策チームを作る方がよっぽど有益かもしれません。この高校内部の問題だけで無く県内で共有し、発想を転換してこれを糧に改善させるように持って行った方が県のやるべきことだと考えています。
皮肉にも、同じ「MSN産経ニュース」でこんな記事が出ていました。
「モンスターペアレント」に対策 都教委が全国初の専門部署設置
(2008年11月17日付記事)
○関連記事
神奈川新聞のWebページより
生徒や保護者が前校長の復職を求める嘆願書提出/県立神田高校の不適正入試問題
(2008年11月17日付記事)
不適正入試に広がる波紋/神田高入試問題
(2008年11月5日付記事)