埋もれさせて置くのが勿体無い日本ワイン!〜 取り繕うよりも正統派が一番!

右より、香り甲州 シュール・リー(2006)とシャンテ Y・A Ch(2006)と井筒NACカベルネ樽熟(2005)○『香り甲州 シュール・リー(2006)』(大泉葡萄酒
昨年の甲斐Vinでも大絶賛(甘口の部で1位)され、先日の国産ワインコンクールでも銀賞に輝いた『香り甲州(2006)』の辛口版です。
抜栓して注ぎ立ての時は硫黄臭(還元香)がし、スワーリングすると取れます。やがてじわじわと「柑橘香」(オーソドックスな「洋梨香」の方がむしろ強い)がしてきますが、上記中甘口のよりは意図している程出ていないのが残念です。むしろ、辛口甲州シュール・リーとしての完成度は高く、ちゃんとボディー感もあるので、香りよりむしろ旨味で勝負といった感じです。
○『シャンテ Y・A Ch(2006)』(ダイヤモンド酒造
遂に雨宮吉男氏がリリースに漕ぎ着けた自社畑100%でのブドウを用いた作品で、記念すべき第1作! オーソドックスな風味のシャルドネワインで、突出した要素の押しで迫るのでは無く、トータルな完成度で世に問う「正統派」
最初に口に含んだ時は土壌から来るのか微かに漂う鉄分の味、じわりと洋梨の薫り、そしてクリーミーさとブドウから来る旨みに自然な厚み(アルコール度数は12.5%と標準的でいてこの厚さに注目!)と樽香がゆっくりと立ち上がって来ます。ブドウの風味を生かし、技術を上手に絡めてます。
瓶熟が進み、樽香がなじめばなお一層このワインの造りが遺憾なく発揮されるに違いありません。この実績を元に、今後のミレジムで更なる飛躍を期待してます!
シャンテ Y・A Ch(2006)と井筒NACカベルネ樽熟(2005)
○『NAC カベルネ・ソーヴィニョン[樽熟](2005)』(井筒ワイン
本年度の国産ワインコンクールでは銀賞ですが、今回金賞受賞の栄誉に輝いた七俵地畑 カベルネ・ソーヴィニョン(2005・山梨ワイン)とはキャラクターが一味も二味も異なる「剛の拳」のカベルネ
桔梗ヶ原は日本有数のメルロの産地ですが、河岸段丘の上部が粘土質・下部が川底に近い分砂礫が多いそうです。そんな訳で、カベルネも栽培の仕方によっては良いものが収穫出来ると考えてます。
メルロの土臭さと厚ぼったさとは異なり、此方はカベルネの「お手本」といった感じです。若干の青臭さがありますが、しっかりと濃色ガーネットの色が出ており渋味が樽の風味と合わさり程良く出て、ブラックベリー系の薫りと凛とした酸味がアクセントになっているからです。(また、2ndクラスであることも特筆すべきでしょう。)
先日頂いたラングドックのカベルネ(『ドメーヌ・バサック カベルネ・ソーヴィニョン VDP』リンク先はインポーターの「アズマコーポレーション」さん)優美なカシスとカカオの薫りにキュッとした酸味が効いたルビー色の南仏の太陽を感じる「柔の拳」に対し、重厚さをけれん味無く押し出した「剛拳」と言えましょう。井筒さんのは、2・3年後に飲み頃を迎えます!
明日試験頑張るぞー!(湘南ハッピーキュイジーヌ・H×Mの相山オーナー始めお店の皆様、有り難うございました!)