リーデル大阪店に“甲州グラス”のことで聴きに伺いました。

残暑が厳しい今日この頃ですが、今年の夏は大変ですね…(何度この言葉が挨拶に出てくるか・苦笑)
当方の収穫が一段落し、ワインの発酵が進みはじめたので、少し安心です。

8月26日、梅田のHarbis ent内に開店してもうすぐ1年となります、リーデルの大阪店にお邪魔して来ました。
www.riedel.co.jp

甲州グラスが、山梨でのワークショップで選定され、はや数年経過しました。私も自宅で評価や嗜む時にはこのヴェリタス甲州シャンパーニュグラスを愛用しておりますが、知人が興味を示していて聴きたいことも有りましたので、お邪魔させて頂いた次第です。

リーデル大阪店

youtu.be


現在、リーデルで“甲州”の名前を課したのは、4シリーズ(ハンドメイドのファット・ア・マーノスーパーレジェーロ、マシンメイドのヴェリタスとヴィノム)が有りますが、実用的にはマシンメイドのが購入検討範囲にあたると思います。
ただ、もう少し廉価のが無いのか?というのもあります。

甲州”の名を課したのは、新世代型シャンパーニュグラス(白ワインとして愉しむのが最近の流れ)になっていますが、このシェイプでは、ヴィノムより廉価で、フツーの一般家庭でも使える最近登場したワインフレンドリーシリーズもターゲットに入ります。4個セットのみの販売ですが、1個あたりのお値段は安く扱いやすいので、実際どうなのか気になります。

(写真1)

まず、写真1ですが、左から、ワインフレンドリー・ホワイト/シャンパーニュ、ヴィノム・シャンパーニュ/甲州、ヴェリタス/シャンパーニュ甲州を並べて見ました。
お店の方によると、シェイプはほぼどれも同じで、厚さが右の方に行くほど薄くなるので、味わいを敏感に感じ取る方では差異があるかもしれませんが、特段グラスの厚さを気にしなければほぼ同等の味を楽しめます。
大きな違いは、グラスの重量でヴェリタスはヴィノムよりも25%軽量なので、手に取った感がかなり違います。あと、ステムとグラスの繋ぎ目がヴェリタスは滑らかで、しかも細い。ヴィノムは触ると継ぎ目の凹凸が目立ちます。ワインフレンドリーは無骨かもしれませんが、ヴィノムとは大差が無いです。
なので、グラスのハンドリング感は
 ヴェリタス>>>ヴィノム>ワインフレンドリー
といった感覚。むしろ、一般家庭ならヴィノムよりワインフレンドリーの方でも遜色なく使えます。
もちろん、本気モードの甲州種ヲタク(笑)ならヴェリタス一択です!

(写真2)

次に写真2ですが、左から、ワインフレンドリー・ホワイト/シャンパーニュ、ヴィノム・シャンパーニュ/甲州、ヴェリタス/シャンパーニュ甲州、ヴェリタス/リースリング・ジンファンデル、ヴェリタス/ソーヴィニョン・ブランを並べて見ました。
ヴェリタスの3種違いですが、上記のワークショップのYouTubeや製品紹介にも有ります様に、最終選考で残ったのがこの3種です。
3種はシェイプが異なり(卵型で底部が尖り気味のシャンパーニュ甲州、角度が浅いリースリング・ジンファンデル、開口部がややおおきく膨らみもあるソーヴィニョン・ブラン)、それぞれの品種に合った特性を考慮しての形状です。

リーデルのお店の方によりますと、

  • グラスの口の傾きの角度
  • 注いだ後の空間(ヘッドスペース)の容積

が重要な要素として挙げられるとのことです。(他にもあると推察されますが、まずはこの2点です。)

(写真3)

「グラスの傾きの角度」は薫りの閉じ込め具合に関わります。甲州は他より香りが繊細なので角度がついているシャンパーニュグラスが良いとの見解です。開口部もソーヴィニョン・ブラン型よりも小さめなので適合しているのも理解出来ます。
あと、角度があることにより、ある程度傾けないと口の中へ注がれ無いので、同じ傾け方で一口あたりの量が少なめになるシャンパーニュグラスの方がより繊細に味を汲み取ることになるとのこと。
優しい味わいの甲州種ならば、フィットしやすいとも言えます。

そして、「空間(ヘッドスペース)」の容積」ですが、薫りを感じ取るためにこの空間が必要でここに成分が広がることから、薫りの量は底面積ならびに容積、鼻腔にすぐ届くかは高さが関わって来ます。
繊細な泡を感じ取りつつも、その薫りを閉じ込めじっくりと味わって頂くにため近年のシャンパーニュグラスはより白ワイン的なシェイプ*1になりましたが、甲州種では品種の特質からもリースリング・ジンファンデル型やソーヴィニョン・ブラン型よりも、新世代型シャンパーニュグラスが合っているとワークショップでも評価された模様です。
実際に3種の比較も、ワインを口にしてのが出来たらいつか試みて見たいと考え中です。

以上、備忘録も兼ねてまとめてみました。

私も、実物で確かめてみたかったので、お店に伺いお話を聴かせて貰ったのですが、色々と参考になるお話を聴けたのは収穫でした。
購入のガイドとして一助になれば幸いです。

この度は、関西地区のエリアマネージャを務めておられます、リーデル大阪店の木下義文様にはお世話になりました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

*1:パーティでよく使われるクープ型や泡立ちの良いフルート型は、液面から開口部までの距離が近く空間の容積が小さいので、薫りがすぐに抜けてしまう。